夕張市訪問、住民福祉維持のため奮闘する市社会福祉協議会
2007年 08月 14日
7月31日、いわき市議会創世会の行政視察で、夕張市を訪問しました。
視察項目は、「夕張市の社会福祉協議会の現状と支援状況について」でした。
ご存知の通り、夕張市は、炭鉱閉山後観光産業に公費を投入して、通常財政の8倍もの巨額の赤字で財政破綻し、本年3月、18年間で353億円の赤字解消を目指す財政再建団体となりました。
いわき市と夕張市は、産炭地という歴史的経緯から友好関係をもってきました。
私も参加している「夕張サポーターズinいわき」も結成され、「困ったときはおたがい様」と支援の動きも始まりつつあります。
そんな中で、財政再建の中で、市民の福祉の現状はどうなっているのか、中核をになう社会福祉協議会への支援状況はどうか、支援の輪を作るためには何が必要か、などを現地調査したものです。
当日、職員の離任式を終えた夕張市の藤倉肇市長にお会いして、いわき市の櫛田一男市長の親書を手渡しました。
職員の激減、地区行政窓口の閉鎖はじめ医療・福祉・教育など公共サービスの低下は、市民の不安を広げてきましたが、混乱と困難の中で、行政と住民の再建の闘いが開始されています。藤倉市長からは、再建にかける市長の熱い思いと決意をお聴きしました。
夕張市社会福祉協議会の現状と支援状況については、夕張市社会福祉協議会の横川会長と野尻事務局長から説明を受けました。「夕張市では高齢化率が40%を超える中で、老人福祉会館が延べ年間3万人の高齢者に利用されてきた。しかし、市の施設であった高齢者の憩いの場も、市の財政破綻により、1200万円の管理運営費がカットされ、会館内の市社会福祉協議会が指定管理者となった。」
4月から、存続の危機にある老人福祉会館の指定管理者となった市社会福祉協議会は、大変な苦労をしています。全額住民負担の運営となったために、高齢者による3000円チケットの事前購入と寄付金による運営費の捻出など、来年度からの継続運営の目途が立たない状況です。また、住民参加による地域福祉活動費補助も廃止となり、住民負担と寄付金での活動を展開しています。現在、市社会福祉協議会は正職員5名、臨時職員8名の体制で、人件費は40%カットの上で補助されているが「再建団体がこんなに酷いとは思わなかった」と横川会長は話していました。
6月末までの1年間で、「夕張社会福祉文化基金」に約510万円の支援が寄せられていますが、老人福祉会館の年間1200万円の管理運営費には、まだまだ到達しない状況です。厳しい再建団体の道はまだ始まったばかり、閉鎖された行政窓口にかわって、住民参加による相談窓口を開設されるという動きも出てきたといいます。
住民福祉サービスを維持するため奮闘する市社会福祉協議会の活動に対して、具体的な支援、応援サポート体制と交流支援関係をつくっていきたいと思います。
写真は、左から夕張市長、副市長、筆者。