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ラトブ、いわき駅前再開発・駅周辺整備事業のゆくえ

10月25日、いわき駅前再開発ビル「ラトブ」が開業した。
現在、いわき市は「いわき駅前再開発事業」及び「いわき駅周辺整備事業」を進めているが、この事業開始に際して、いわき市議会で私は次のような議論を行ってきた。
・この事業が地域経済の再生という視点からどのような経済効果があるのか
・現在の社会経済情勢にあって、巨額の資金投入が果たして地域経済の再生に結果するのか
・公共の福祉に寄与するのか

2年前の総務省の調査がある。中心市街地活性化法施行により基本計画を策定した20都道府県121市町村を調査した結果、90%以上の市と町で商店数、年間売り上げ、事業所数が減り、人口も69%で減少。アンケートには59%が「活性化していない」と答え、国の補助金で整備した施設の50%で利用者が見込みに達していないということだった。
「ラトブ」開業にあたって、青森市の駅前再開発ビル「アウガ」の成功例やコンパクトシティ論が持て囃されているが、現実は失敗例が多い。
郡山駅前再開発ビルは、設立以来の超過債務で社長が辞任したし、相馬市の駅前再開発ビルは経営破綻に陥った。相馬市はいわきと同じく市立図書館と行政サービスコーナーが入った駅前再開発ビルだが、入居率の低さが収入不足の原因といわれている。
広域多核都市いわき。マイカー社会で生活バス路線の廃止が相次ぐ中、21世紀型の公共交通の機能充実と結節点としての駅前機能、多世代間の交流をつくる施設の配置が求められている、と論じた。

市民は、似たような景色をつくるより、高齢者や障がい者にやさしい、ふるさとの温もりが感じられ、愛着が持てるまちづくりを求めているが、市民が期待した商業部門も、蓋を開けてみるとコンセプトの「一歩上質」も「ひとつ上」には昇れなかった。空き店舗と店装をしていない店舗。「がっかりした」という声が多い。
施設では、階の表示がないエレベーターのことが指摘されている。「市はユニバーサルデザインを唱導しているが、この実態は何だ」という声。駐車場も一方通行のことや床面がキイキイ鳴ることも。
駅周辺整備事業のペデストリアンデッキ建設にも赤信号がでた。工事の入札に応札業者がなくやり直しとなった。橋梁業者が談合で指名停止を受けていることが原因とされる。
南口広場そして北口広場と「周辺整備にこれ以上金をかけないで」という声も聞かれる。

行政は、まちづくりの進め方について、たちどまって市民の声を良く聴くことができるかどうか、と繰り返し述べてきた。現実はそうなってはいない。
「せっかく造ったラトブをいかして欲しい」という声が多い。
「この三ヶ月が勝負」という声が、ズシンと、重く響く。
現状をどう改善していくのか。
今後、駅周辺整備事業の見直しをどうするのか。
検証していきたい。
by kazu1206k | 2007-11-21 09:23 | 農水商工業 | Comments(0)