二酸化硫黄放出の東邦亜鉛小名浜製錬所などの工場をみる
2007年 11月 25日
この日は、日産自動車(株)いわき工場、堺化学工業(株)小名浜事業所、東邦亜鉛(株)小名浜製錬所の三社を訪ねた。
それぞれ、事業者より事業概要の説明を受けた後に、工場施設内を見学して事業の現状を拝見した。
このうち、東邦亜鉛(株)小名浜製錬所は、小名浜臨界工業地域開発の第1号企業として1961年に進出、亜鉛の焙焼と硫酸の製造を開始。その後、非鉄製錬技術を活かして産業廃棄物の処理再生、ニカド電池の処理なども手がけ、小名浜製錬所の7割がリサイクル事業を行っている。
東邦亜鉛(株)小名浜製錬所では、8月、定期修理の試運転後に、焙焼硫酸の工程で高濃度の二酸化硫黄を放出。小名浜地区の農作物や庭木などに被害を出して公害を発生させ、住民から抗議の声が寄せられた。
原因は排脱吸収塔の不具合によるものだったが、高煙突排煙中のSO2濃度が警報設定値250ppmを超え警報が出ているにもかかわらず、2時間以上運転を継続して高濃度亜硫酸排ガスを放出し続けた。
今回、問題の焙焼硫酸の工程も見学し、操作室も見せてもらった。
事業者としては、不測の事態により公害が発生する恐れがある場合、「直ちに応急の処置を講じ、かつ、その事態を速やかに復旧させる」必要がある。
東邦亜鉛では、再発防止対策として、あらたに、排脱吸収塔や高煙突排煙中のSO2濃度の現状を、操作室でリアルタイムで監視できるようにメーターを設置したという。(写真)
事業者は、万全を期して、公害の防止に全力をあげねばならない。