欠陥を放置・隠ぺいの六ヶ所再処理。抗議の中、最終試験入り強行!
2008年 02月 14日
原子力資料情報室の報告によれば、委員会では『ガラス固化設備の試験状況報告』があり、午前11時45分、原子力安全保安院が「今後の高レベル廃液ガラス固化設備に係る試験の進捗に対応して、必要な高レベル廃液を確保する必要があること及び同設備に閏し今後確認が必要とされる事項は、アクティブ試験第5ステップで計画されているBWR燃料の処理試験に支障を与えないことを併せて考慮すると、第5ステップに移行することは当院としても差し支えないと考えられる。」と、第4ステップ終了、第5ステップ移行にお墨付きを与えた。
そして、午後3時には、日本原燃のURLに「第5ステップ開始」のお知らせがアップされたという。
東京からの報告では、朝から経済産業省別館前には、20名を超える人が集まり、委員会の傍聴の前後にアピール行動、50人の席に100人近い傍聴希望が殺到。
原燃の報告に対し、委員から「ガラス固化体の品質管理はどうなっているのか」「いきあたりばったりではないか」「落第寸前だ、十分な結果が得られていないなどという評価は甘い」といった厳しい質問が飛び、保安院を含めて、ガラス固化は全然うまくいっていないという空気が支配していたという。
第5ステップでの確認事項が増え、ハードルが高くなり、本格運転は少し遠のいている。
高レベル放射性廃棄物ガラス固化体の製造設備が頓挫しているにもかかわらず、最終第5ステップ試験入り強行は非常識だとして、市民団体は「欠陥を放置・隠ぺいの六ヶ所再処理は中止を求め、経済産業省別館前で抗議行動を行った。
以下は抗議文。
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抗 議 文
アクティブ試験の第5ステップ入り容認に強く抗議する
ガラス固化試験は根本的な欠陥が未解決なことを確認しただけ
死の廃液と欠陥ガラス固化体を生むだけの再処理を中止せよ
原子力安全・保安院長 薦田 康久 様
2008年2月14日
六ヶ所再処理工場のアクティブ試験を憂慮する全国の市民
本日,原子力安全・保安院および核燃料サイクル安全小委員会は,日本原燃のガラス固化状況報告を認め,六ヶ所再処理工場アクティブ試験の第5ステップ入りを容認した。アクティブ試験の第5ステップ入りは以下の理由から絶対に許すことはできない。
・日本原燃は国が確認していた計画を届けもなく勝手に変え,第4ステップのガラス固化試験において,A・Bの2系統あるうちのA系統の性能確認しか行っていない。
・A系統にしても,ガラス固化はうまくいかず,白金族元素が溜まることにより,溶融炉が高温にならずに目詰まりを引き起こすという,以前から問題になっていた根本的な欠陥が露呈して止まった。試験は失敗であり,問題が未解決であることを確認しただけである。
・日本原燃の報告からは,必要な判断基準を満たしていることは確認できない。逆に何万年もの貯蔵にはとても耐えられない欠陥ガラス固化体が複数本発生したことが推認されるだけである。
・出口(ガラス固化)が塞がれた状態で第5ステップに入り再処理をはじめても,猛毒で危険な高レベル放射性廃液が溜まり続けるだけである。
私たちは,第5ステップ入り容認に強く抗議するともに,死の廃液を溜め,欠陥ガラス固化体を生むだけの再処理を直ちに止めることを改めて要求する。
■呼びかけ団体
核燃サイクル阻止1万人訴訟原告団/再処理工場について勉強する農業者の会/花とハーブの里/PEACE LAND/三陸の海を放射能から守る岩手の会/グリーンピース・ジャパン/原子力資料情報室/原水爆禁止日本国民会議/ストップ・ザ・もんじゅ東京/日本消費者連盟/ふぇみん婦人民主クラブ/福島老朽原発を考える会/グリーン・アクション/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
◆問合先 福島老朽原発を考える会/ストップ・ザ・もんじゅ東京
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