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ごみ焼却場談合、いわき市はなぜ損害賠償請求しないのか?!

6日、一般質問で、南部清掃センター建設工事談合事件の損害賠償請求について、質しました。
しかし、「控訴審の推移を見極める」「市顧問弁護士等の専門家と損害賠償請求権の行使に向けた協議を進め」るという、とても承服し難いものです。
このようないわき市の態度は、市民全体の利益を保護する立場に立っているのか?
やはり何かあったのか?と勘ぐられるようなものです。

まず、前ふり。わたしは次のように話しました。
1月28日、福島地方裁判所は、いわき市の南部清掃センター談合事件の住民訴訟で、住民勝訴の判決を下し、被告の三菱重工業(株)に対し、いわき市の損害額11億2770万円と支払日までの遅延損害金の支払いを命じました。この金額は、工事契約額225億5400万円の5%相当額です。
福島地裁判決は、「怠る事実」について触れ、「地方自治法の規定によれば、客観的に存在する債権を理由もなく放置したり免除することは許されない」として、いわき市が、公正取引委員会の審決の確定まで、損害賠償請求権の行使を控えるのは、「民法709条に基づく損害賠償請求権を有しているのに違法にその行使を怠っている」と指摘しています。

●質問:南部清掃センター住民訴訟の地裁判決について、本市はどのように受け止めているのか。
■生活環境部長答弁
本市におきましては、南部清掃センター建設工事の入札に際し、「談合の事実があった場合の損害を担保する誓約書」を徴するとともに、公正取引委員会の排除勧告後には、損害賠償請求権の予約をするため、「談合の事実が確定後、三菱重工業(株)が本市に対し損害賠償義務を負うとする協定書」を締結してまいりました。
 また、住民訴訟提起後はその動向やその後開始された公正取引委員会の審判の審決や当該審決を不服として提起された取消訴訟の推移を注視しながら、他自治体等における住民訴訟の判例の研究を行なうなど、損害賠償請求権の行使に向けた検討を進めてきたところであり、
行政として取りうる最大限の対応を図ってきたものと認識しております。
この度の福島地方裁判所の判決は司法の立場から一定の判断を示したものであり、
被告三菱重工業(株)が控訴していることから、今後その推移を見極めてまいりたいと考えております。

●質問:本市が事業者への損害賠償請求を怠っているとの司法判断を重く受け止め、事業者への損害賠償請求を実行すべきではないか。
■生活環境部長答弁
ただいまご答弁いたしましたとおり、今後、控訴審の推移を見極めるとともに、すでに東京高等裁判所で結審し、まもなく判決となると予測される審判審決取消訴訟の結果もふまえ、市顧問弁護士等の専門家と損害賠償請求権の行使に向けた協議を進め、適切な対応を図ってまいります。


 住民訴訟は、平成12年「いわき市への損害賠償」を求め、市民全体の利益を保護するため、市民が市に代わって代位請求したものです。公正取引委員会が談合を認め排除勧告をしたゴミ焼却炉をめぐる住民訴訟は、現在、全国で13件争われています。
 このうち、地裁の判決は、原告側が11勝2敗で概ね勝利しており、返還命令も工事費の8〜5%が定着しています。昨年末段階で、高裁判決は、福岡市など8件で6勝2敗となり、最高裁判決も3件でていますが、すべて原告勝訴です。
 自治体の動きとしては、平成18年の公正取引委員会の談合排除の審決以降、高等裁判所に提訴されているのを承知の上で、まず、名古屋市が受注業者に対し、契約額の10%にあたる約44億7600万円の損害賠償請求に踏み切りました。
 これを皮切りに、損害を被った自治体が、相次いで事業者に対し損害賠償請求を行ったり、監査委員が自治体に損害賠償を勧告しています。
 平成19年3月になると、公正取引委員会は、ごみ焼却炉5社に合計270億円の課徴金納付命令を出しました。
 そして、平成19年4月に最高裁から京都市での談合で、過去最高の工事契約金額の8%の損害賠償を命じる判決を受けた川崎重工は、京都市に損害額18億円に年5分の利子をつけ25億円近くを返還しました。
 これによって、全国の「ごみ焼却場談合住民訴訟」の勝利も確定的となりました。

 いわき市は、このまま、手をこまねいては、不法行為を許容しているかのごとくです。市の財政状況も踏まえ、損害賠償請求を怠っているという違法事態を一刻も早く解消し、市民全体の利益にかなうよう、早急に対応すべきではないでしょうか。
by kazu1206k | 2008-03-06 18:44 | 議会 | Comments(0)