国の医療費削減策、高齢者泣かせ!市後期高齢者医療条例に反対
2008年 03月 19日
条例案、予算案を通じて、大きな影を落としているのが、4月から国が実施する75歳以上の後期高齢者医療制度です。
わたしは、委員会採決で、議案第1号いわき市後期高齢者医療に関する条例の制定など、国の医療費削減策の一環として自治体に押し付けてきた、高齢者泣かせの後期高齢者医療制度の関連議案に反対しました。
これまで老人保健制度では、75歳以上や65歳から74歳で障害のある人は、国民健康保険や健康保険組合などに加入して医療を受けていましたが、4月からは国保や健康保険組合、共済組合から脱退して、「後期高齢者医療制度」に加入して医療を受けなければなりません。
保険料は、後期高齢者一人ひとりが1割負担しなければなりません。しかも、年額18万円以上の年金受給者は保険料が年金から天引きです。
保険料を滞納すると、窓口で全額負担という、有効期間の短い「短期被保険者証」が交付され、1年以上滞納すると「資格証明書」が交付されるのです。
これまで被扶養で、自分で保険料を納めていなかった人も自分で負担しなければなりません。高齢者にとっては、大きな打撃です。国は、この被扶養だった人は、保険料を9月までの半年間はゼロ、その後の半年間(09年3月まで)は本来の1割とする負担軽減措置を打ち出していますが、その場しのぎといえます。
後期高齢者の男女比は、女性100に対し男性59.4(2006年)で、加入者は平均寿命の長い女性が中心ですが、女性高齢者は男性高齢者に比べて低所得者が多いと指摘されています。国民年金のみの加入世帯の夫が死亡した場合、妻の年金収入は自分の老齢基礎年金のみで、女性には大変厳しい制度です。
後期高齢者医療制度は、国民皆保険制度のいつでも、誰でも、どこでも、平等に医療が受けられる医療制度の観点からして、国民の医療を受ける権利を高齢者から奪うことになります。まさに、年齢による差別です。
※2月定例会の議案第1号いわき市後期高齢者医療に関する条例の制定は、この後期高齢者医療制度が創設されることに伴い、後期高齢者医療の事務に関し、福島県後期高齢者医療広域連合が処理する以外のの事務や保険料の徴収事務など、市において行う事務に関し必要な事項を定めるための条例です。