障害者自立支援法2年、困難深まる障がい者と施設運営
2008年 05月 09日
施設見学は、いずれも平地区にある「いわき市母子訓練センター」と知的障がい者更生施設「はまなす荘」の2施設です。
「いわき市母子訓練センター」は、昭和55年の設立で、障がいを持った子どもや発達が気になる子どもたちがお母さんと一緒に通う療育施設です。
母子通園が特徴で、学齢期前の幼児部は小集団クラス、学齢部は児童1人に職員1人と、子どもたちやお母さんの身になった手厚い療育体制で、基本的な生活習慣や社会性を育てています。これまで250組以上の家族が通園したそうです。今年度当初の幼児登録は、23人でした。
「はまなす荘」は、昭和48年開所で、18歳以上の知的障がい者の方の生活支援や作業訓練を行っている施設です。定員100名に現在94名の利用、利用者の平均年齢は44.3歳です。職員は41名。
見学では、輪ゴムの計量・梱包、農耕園芸、菓子製造、さき織りなど作業訓練の様子もみせていただきました。
地域生活のための自立支援訓練では、グループホームも行い、その訓練を経て22名の方が地区内の一軒家5カ所を借りて地域生活を行っています。
現在、建設以来35年経過した施設の全面改築計画を、平成22年度の運営開始をめざして進めているとお聞きしました。
今年度は、障害者自立支援法の見直しの年です。
懇談会では、この法によって始まった新事業について、多くの問題点が指摘されました。現場の切実な声が、数多く出され、改善を求める声をお聴きしました。
障がい者福祉サービスを提供している施設自体が困難を極めている実態が浮き彫りになりました。サービスの質の低下、人材難など障がい者福祉の後退が進んでいます。
障害者自立支援法の廃止を含めた国の制度改善、いわき市が自治体として可能な施策の展開など、ひとつひとつの課題について向き合いながら、努力していきたいと思います。