漁船「第58寿和丸」転覆事故で「 潜水艦衝突の可能性」との報道
2008年 07月 24日
犠牲となられた方々に哀悼の意を表しますとともに、行方不明者のご家族の心中如何ばかりかとお察し申し上げます。また関係各位のご心労もあまりあるものとおもいます。
当初、この事故は、複数方向から波がぶつかってできる「三角波」という高波によって船体が傾き転覆したと指摘されていました。
しかし、7月22日の報道によりますと、原因の調査にあたっている横浜地方海難審判理事所の調査で、「寿和丸は、船の下からの強い衝撃のため右舷の船底を損傷し、沈没したとみられること」「乗組員の証言などから、損傷は潜水艦との衝突で生じた可能性もあるとみて調査している」といいます。
理事所は、当時の現場海域はうねりが2〜3メートル、波高2メートルで、漁船が転覆するほどの高波ではなかったとみている。
救助された乗組員の証言として「右舷船底近くの側面に強い衝撃を感じた」。海に投げ出された乗組員らは油まみれで救助されていることから、船底の燃料タンクが何らかの原因で損傷、大量の燃料油が海面に流出したと、理事所はみているという。
証言からは、寿和丸は衝撃を受け右舷側に大きく沈み込むように傾き、わずか10〜15分で沈没したとされ、船底に穴が開いて船内に海水が入った可能性が高いといいます。
事故当時、周辺の僚船はレーダーや目視で他の船を確認しておらず、理事所関係者は「状況からみて潜水艦による衝突以外の可能性は考えにくい」とも話していると報道されました。
これに対し、海上幕僚長は23日の定例記者会見で「あの海域は海上自衛隊の潜水艦も航行しているが、接触や修理するような不具合があったという報告は一切上がっていない」「米軍からもそのような情報は聞いていない」と述べ、潜水艦との接触の可能性に否定的な見解を示したといいます。6月23日以降、海上自衛隊の潜水艦の修理報告はないが、米海軍の原子力潜水艦「ヘレナ」が横須賀で修理をうけているという報道もありますが、関連は判明していません。
いずれにしても、横浜地方海難審判理事所は、この事故を重大海難事件として調査しています。
市民も事故原因の究明を注視しています。