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東電、双葉断層を37キロに「縮小」報告

 東京電力は、福島第一原発5号機と同第二原発4号機について、国の新耐震指針による耐震安全性の中間報告を3月原子力安全・保安院に提出し、双葉断層を18キロから47.5キロに見直したが、8月4日東京電力は、双葉断層の長さを37キロに見直す調査結果を原子力安全・保安院のワーキンググループで報告した。
 これは、新潟県中越沖地震後の地質調査結果がまとまったことで見直したというものだが、中間報告で活断層としていた宮城県亘理町長瀞から相馬市初野までの双葉断層北部を「活動は認められない」として除外し、南相馬市以南の双葉断層南側についても、1〜3月に行ったボーリング調査などで、改めて活断層ではないと判断したというもの。
 東京電力の原発耐震安全性中間評価は、基準地震動を600ガルと従来の1.6倍に引き上げたが、総延長約70キロの双葉断層の長さを47.5キロに値切り、1920年の福島第二原発近傍のM6.8の地震や福島県東方沖地震の震源断層を過小評価し、基準地震動の算出根拠や冷却材喪失に係る再循環系配管の強度評価をしていない。
 地震の規模、マグニチュード 8.0。死者7万人という甚大な被害を出した中国・四川大地震を起こした「竜門山断層帯」は、中国の過去の調査では、「死んだ断層」とみられていた。主に活動したのは2億年前〜6,500万年前までの恐竜がいた時代で、1千万年前以降は活動が低調で、地震で断層がずれた量を年平均に換算した「活動度」は垂直方向に年1ミリ以下で、専門家も「死んだ断層」としていたという。
 日本の地震調査委員会が地震の発生確率や規模を調べているのは、約200万年前以降に活動した活断層で、原子力発電所の設計で考慮する活断層も12万〜13万年前以降に活動したものだが、活動度が低い活断層だからといって安心していいわけではない。
 
by kazu1206k | 2008-08-27 08:01 | 脱原発 | Comments(0)