小名浜火発建設に相次ぐ疑問、県環境影響評価審査会と鹿島地区説明会
2008年 11月 11日
福島県環境影響評価審査会では(仮称)小名浜火力発電所の設置計画の環境影響評価準備書の審査が行われていますが、この日の審査会では、「国や県を挙げて二酸化炭素(CO2)削減に取り組んでいるのに、CO2排出原単位の高い石炭での発電計画はいかがなものか」「企業の社会的責任をどう考えているのか」など、大量に二酸化炭素を排出する火発建設に疑問視する意見が相次ぎました。
同発電所の排出低減措置に関する質問に対し、事業者は、国内の電気事業者全体の行動計画で排出削減に取り組んでいることを説明するのみでした。県は、12月上旬に開く次回会合で、経済産業大臣に提出する知事意見の文案の内容をまとめる予定です。
また、いわき市鹿島町での(仮称)小名浜火力発電所の設置計画に関する説明会では、住民60人が参加。「排出ガスによる健康被害や公害が心配、今後の対策は」「今時、石炭による火力発ではないと思う。ばい煙や粉塵の影響が大である」「温暖化対策に対応する施設なのか」「環境省から受け入れられないときいているが対策は整ったのか。課題を残しての設立に反対する」「ら・ら・ミュウなどの景観対策は十分なのか」「地域への社会貢献はどうなのか。電気料は安くなるのか」など疑問や批判が相次ぎました。
※福島県の「地球温暖化対策推進計画」は、2010年度までに県内でのCO2排出量を488万t削減を目標としており、小名浜火力発電所から排出されるCO2は年間2基合計228万tの計画。小名浜火力発電所の運転開始は、CO2削減努力の62%を帳消しにするものとなっている。
※小名浜火力発電所のCO2排出原単位は、0.8kg-CO2/kwh。電力会社の販売電気のCO2排出原単位は、0.34kg-CO2/kwh。小名浜パワーのような特定電気事業者でも天然ガスのCO2排出原単位は、0.37kg-CO2/kwh。