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いわき市議会、第五十八寿和丸事故原因究明の意見書採択

いわき市議会は、12月18日の最終日、全会一致で、「第五十八寿和丸」転覆沈没海難事故の原因究明を求める意見書を採択しました。

第五十八寿和丸の犠牲者やご遺族のみなさまの心情を察し、第五十八寿和丸転覆海難事故の潜水調査による原因究明を求める署名は、いわき市民はじめ福島県内、全国の漁業関係者などから10万人を超えて寄せられています。
潜水調査による事故原因の究明は、遺族はじめ安全運航、安全操業を求める漁業関係者、海上交通の安全を願う国民の願いです。

この意見書は、内閣総理大臣、国土交通大臣、農林水産大臣に送付され、政府が事故の再発防止、安全運航の実現のため、潜水調査と船体映像の確認を実現し徹底した原因究明に努めるよう、強く要望するものです。

以下は、「第五十八寿和丸」転覆沈没海難事故の原因究明を求める意見書、です。
18日の本会議で、わたくしが提出者として案文を読み上げ、全会一致で採択しました。


●「第五十八寿和丸」転覆沈没海難事故の原因究明を求める意見書

 平成20年6月23日午後1時30分頃、第五十八寿和丸は北緯35度25分、東経144度38分、千葉県犬吠埼灯台東方330km付近でパラシュートアンカーを入れ漂泊中、船首右舷側より2度の衝撃を受け、右舷側に傾き、転覆沈没した。
 乗組員20名のうち、海中に投げ出された3名は無事救助されたが、4名の死亡が確認された。その後、夜を徹して7月29日まで海上保安部の巡視船、水産庁の調査船、同業者船、所属社船60余隻及び海上保安部の航空機、自衛隊の航空機によるいまだかつてない大規模な捜索を行ったが、13名の方々を発見するには至っていない。また、船体も海底深く沈んだままである。
 生存乗組員の話から確認された「転覆時の船体の傾斜具合」「流出油量の多さ」「転覆から沈没に至る時間の短さ」などから判断すれば、当初推測された三角波による転覆事故ではなく、船首右舷前方からの2度の衝撃による船体の損傷による転覆沈没事故の可能性が浮かび上がった。
 第五十八寿和丸の当日の錨泊方法、錨泊位置の天候条件、船齢、整備状況から考えるに、船体に損傷を及ぼす衝撃の原因とは、自然災害によるものか、船体構造によるものか、それ以外の原因が存在するのか皆目見当をつけることができない。
 こういった状態を放置しておくことは、船舶安全運航方法及びまき網漁船の安全操業の見地から大いに問題である。また、行方不明の乗組員御家族の心情を考えると余りに無念である。
 よって政府においては、事故の再発防止、安全運航の実現のため、徹底した原因究明に努めるよう、次の項目について強く要望する。

1 当該事故原因の究明につき、速やかに潜水調査を含め、徹底調査に努めること。

2 行方不明の乗組員御家族の心情を察し、第五十八寿和丸の船体映像を確認すること。

以上、地方自治法第99条の規定に基づき、意見書を提出する。

平成20年12月18日

内閣総理大臣  麻 生 太 郎 様
国土交通大臣  金 子 一 義 様
農林水産大臣  石 破   茂 様


いわき市議会議長  矢 吹 貢 一
by kazu1206k | 2008-12-19 10:19 | 議会 | Comments(0)