21世紀の森産廃処分場、市の不許可処分を県が取消し
2009年 04月 01日
山一商事の21世紀の森産業廃棄物処分場に反対する市民各界各層、いわき市、市議会の取り組みも新たな局面に入る。
3月30日、山一商事が出した市の不許可処分にたいする不服審査で、福島県は2月の環境省の採決を受けて、市の処分を取り消す裁決をしたからだ。いわき市はこの裁決を受け、あらためて許可、不許可を判断する。
県の裁決は、環境省裁決にならい、市が不許可理由の一つとした工事中の騒音で市立綴小学校が学校施設の静謐な環境が損なわれる点、処分場の浸出水処理水を新川に放流する計画が下水道法の許可要件に不適合である点などを、不許可処分の理由としては不十分とした。
県の裁決は、これまた環境省裁決にならい、最後の段で「設置許可申請は法第15条の2第1項各号で示される許可要件に全て適合しなければ許可してはならないと規定されているところ」、山一商事が全て適合している旨の主張を行っているが、「許可要件に全て適合していると審査庁(県)が認めるものではない旨を念のため申し添える」と、わざわざ付言している。
いわき市は裁決を受け、「市としては、今後とも市民の安全と安心を第一とする従来からの一貫した姿勢を堅持しながら、適時適切に対応してまいります」としている。
いわき市として、処分場はできないという判断をしているものの、再度の判断に向けては、「下水道雨水幹線の接続拒否だけで大丈夫か」「地質・地盤による被害の恐れを全面に出すべきだ」などの市民の声も考慮し、よりよい対応が望まれる。
「山一商事を撤退させて処分場をつくらせない」ために、春の集会や処分場被害のDVDを広めること、背景資本であるスルガ銀行の追求など、市民各界各層の取り組み、いわき市と市議会、それぞれが一層協力していくことが肝心だ。