2017年 08月 24日 ( 1 )

いわき市議会、福島第二原発廃炉の早急な決定を東電に申し入れ

 8月24日、いわき市議会は、東京電力に対し、東京電力福島第二原子力発電所の早急な廃炉方針を決定や東京電力福島第一・第二原子力発電所の有事における正確な情報提供、放射性物質の飛散防止対策の徹底、トリチウム処理水の海洋放出は行わないことなどを申し入れました。
 昨年11月に発生した福島県沖を震源とする地震を起因としたトラブル発生時における東京電力ホールディングス株式会社の対応について、市民の不安と不信感はより一層を強まりました。いわき市議会は、復興創生対策特別委員会を設置して、東京電力福島第一原子力発電所事故に対応していますが、この状況を重く受けとめ、市民の安全・安心な暮らし、安全・着実な事故収束・廃炉を求めるため、復興創生対策特別委員会において、本年1月に、東京電力福島第一・第二原子力発電所の現状について、東京電力ホールディングス株式会社から説明を受けるとともに、5月に、それぞれの施設の現地調査を行い、これらの調査結果を踏まえ、この申し入れに至ったものです。
 24日は、正副議長、正副委員長、各派代表らが、東京電力福島復興本社の新妻副代表に申し入れ書を手渡し、東京電力ホールディングス株式会社が申し入れを真摯に受け止め、確実に実行に移すよう強く求めました。
 申し入れの内容は、以下の通りです。

1 東京電力福島第二原子力発電所について          
⑴ 廃炉について
 いわき市民はもとより福島県民は、廃炉の決定時期の明確化及び早期実施を求めている。また、この思いを受けとめ、福島県をはじめ県内の市町村が廃炉を求めているにもかかわらず、東京電力がいまだに廃炉を明言していないことは、福島県民の大きな不信感の根源となっている。
 このことから、東京電力は、早急に廃炉の方針を決定するとともに、確実に廃炉を実施すること。

⑵ 安全対策について
 東京電力福島第二原子力発電所の使用済核燃料は、現在、使用済核燃料プールに保管されているが、自然災害などを起因とする危機事象が発生した場合、周辺の市町村はもとより、本市に大きなリスクを与えるおそれがある。
 このことから、東京電力は、乾式キャスクを用いるなど、さらに安全な使用済核燃料の保管方法に切り替えるとともに、周辺市町村及び本市のリスクを回避する対策を講じること。

2 東京電力福島第一・第二原子力発電所の有事における情報提供体制について 

 いわき市議会は、東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故以来、トラブルなどが発生した際、市民に対し、速やかに情報を提供するよう、再三、要請をしてきた。また、東京電力は、「有事の際の即応体制の強化」や「情報隠ぺい体質の改善」などを求める市民の声があるにもかかわらず、平成28年11月の福島県沖を震源とする地震の際に発生したトラブルに関する市民への情報提供について問題があった。
 このことから、東京電力は、東京電力福島第一原子力発電所において発生する問題事象の大小にかかわらず、各行政機関との協定やマスコミへの通報基準・公表方法に基づき、早急かつ正確な分かりやすい情報提供を行うこと。また、東京電力福島第二原子力発電所においても、東京電力福島第一原子力発電所と同様の通報連絡体制を確立すること。

3 東京電力福島第一原子力発電所事故について             
⑴ 事故収束と廃炉作業に係る安全対策について
 東京電力福島第一原子力発電所の事故収束に向けて、中長期ロードマップが設定されているが、順調な進捗状況ではない。今後数十年以上に及ぶ事故収束と廃炉作業を実施するにあたって、周辺市町村はもとより、本市の市民生活への影響を極力抑えることが重要であり、また、廃炉作業の進捗状況が市民に伝わりにくい状況がある。
 このことから、東京電力は、事故収束に向けて、現状の安全対策に甘んじることなく、確実な安全対策を講じ、中長期ロードマップに基づく廃炉作業を着実に進めること。また、本設防潮堤の建設をはじめとする地震・津波への対策、廃炉作業の支障となる古い車輌や設備等の改善、廃炉作業従事者の長期的な確保対策、燃料デブリの取り出しに係る技術開発、放射性物質の飛散防止対策の徹底、トリチウム処理水の海洋放出は行わないことなど、これらの重要事項に留意し、廃炉作業工程の安全性の向上や、リスク管理の強化に努めるとともに、廃炉作業の現状を市民に分かりやすく伝えること。

⑵ 風評対策について
 福島県内のすべての産業は、根強い風評被害により、いまだに大きな経済的損失を被っている。また、情報の受け手側に、基本的な知識や正しい情報が伝わりにくく、より安全な対策について理解が進まないことが、福島県民に対する偏見やいじめなどの問題に繋がっている。
 このことから、東京電力は、第一義的に風評被害の拡大につながるようなトラブルを引き起こさないよう事故収束作業を進めること。また、東京電力としても、引き続きリスクコミュニケーションの充実・強化や、日本をはじめ世界各国の人々へ、積極的に正しい福島の現状を発信することに努めること。さらに、東京電力は、関係機関と十分な連携を取りながら、風評被害が続く限り、今後も引き続き、被害を被っている地域や人々に寄り添った支援に取り組むこと。

⑶ 廃炉作業従事者の労働環境・待遇の改善について
廃炉作業従事者の労働環境・待遇の改善は行われているものの、さらに廃炉作業従事者への安全確保、被曝低減、健康管理、雇用条件について是正する必要がある。また、一部において、雇用契約書の締結、必要に応じた手当の支給や健康管理がなされていない状況にある。
このことから、東京電力は、長期にわたる廃炉作業を円滑・着実に進めるため、廃炉作業に携わる全ての企業とともに、廃炉作業従事者に係る労働法令の遵守をはじめ、危険手当の全額支給の指導、被曝低減への配慮、持続可能な雇用体系の確立、無償による検診の実施など、廃炉作業従事者の安全・安心な労働環境を確保すること。

⑷ 損害賠償について
東京電力福島第一原子力発電所事故が市民生活に与えた影響は計り知れないものであり、現在でも風評などによる実害が継続しているにもかかわらず、商工業者や農林業者に対する損害賠償は十分なものとは言えない。また、損害賠償に係る周知が図られていない事業者も存在する状況にある。
このことから、東京電力は、商工業者や農林業者に対する損害賠償について、事業と生活の再建が可能となるよう、適正かつ公正な損害賠償を継続するとともに、事業規模にかかわらず損害賠償制度の周知が図られるよう、丁寧な対応に努めること。あわせて、地方公共団体に対する損害賠償についても完全賠償に向けた対応に努めること。

⑸ 廃炉作業従事者の移動による交通渋滞緩和対策について
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉作業が進む中、市民から、本市の生活道路及びその周辺における早朝・夕方の廃炉作業従事者の移動による交通渋滞や無断駐車を解消してほしいとの要望がある。震災から6年余りが経過し、双葉郡内への廃炉作業従事者の宿舎整備により、一部改善はみられるものの、交通問題の解消に向けた対策が必要となっている。
このことから、東京電力は、廃炉作業従事者の宿舎整備や時差出勤などに取り組む関連企業及び協力企業をさらに支援し、生活道路の交通渋滞及びこれに関連する交通問題の解消に向けた対策を推進すること。
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by kazu1206k | 2017-08-24 22:49 | 議会 | Comments(0)

佐藤かずよし


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