2018年 03月 03日 ( 1 )

質問報告2–阿武隈南部風力発電と環境保護、イオンモールいわき小名浜

いわき市議会2月定例会、3月1日に行った一般質問の詳細報告の2回目です。

 1 いのちを守る、高齢者と障がい者の福祉の充実について(第1回)
 (1)高齢者福祉の充実、介護施設と介護人材の確保・育成などについて(第1回)
 (2)障がい者福祉の充実、福祉的就労と生活支援などについて(第1回)
 
 2 東京電力福島第一原発事故によるトリチウム汚染水の海洋放出の中止について(第1回)
 (1)原子力規制委員会委員長の発言と対応について(第1回)
 (2)水産業等の再生を阻害するトリチウム汚染水の海洋放出の中止について(第1回)

 3 いわき市の再生と地域課題の解決について(第2回)
 (1)阿武隈南部風力発電事業における環境保護と生物多様性の保全について(第2回)
 (2)(仮称)イオンモールいわき小名浜開業に伴う課題について(第2回)

 
 第2回は、「3 いわき市の再生と地域課題の解決について」の「 (1)阿武隈南部風力発電事業における環境保護と生物多様性の保全について」「(2)(仮称)イオンモールいわき小名浜開業に伴う課題について」、です。

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大きな第三点、いわき市の再生と地域課題の解決について、であります。

1点目は、(仮称)阿武隈南部風力発電事業における環境保護と生物多様性の保全について、です。

 エコ・パワー株式会社の(仮称)阿武隈南部風力発電事業計画は、本市の北部、小川町から四倉町の福島第一原発30㎞圏付近に位置する屹兎屋山・猫鳴山・二ツ箭山などの南側支稜及び西側支稜を含む本市、双葉郡広野町及び楢葉町の行政界付近の山稜上にまたがる、最大146,200kW、3,400 kW級風力発電機を43基設置する、大規模な風力電源開発計画です。
 これまで環境影響評価に係る手続が、計画段階環境配慮書から環境影響評価方法書の段階まで終了し、近く準備書が提出される段階とされます。
 方法書に対する知事の意見では、「対象事業実施区域から、まとまりのある自然植生、生物相の豊かな場所、保安林、希少な動植物の生息地、峡谷、埋蔵文化財所在地等の風力発電事業との併存に困難があることが明らかな地域を極力除外すること」、さらに「本事業計画の実施に当たっては、周辺地域住民の理解が不可欠となることから、必要な情報の周知、十分な説明と意見の聴取を確実に進めるとともに、当該地域が現在自然豊かで極めて閑静であることを踏まえ、事業者として、当該住民等の一番の不安がどこにあるのか、その感得に誠実に努めること」と指摘しています。
 先月、日本野鳥の会いわき支部は、計画通りに工事が進められた場合、いわき市内での希少種の繁殖地及び渡りの中継地点が失われることなどから、風車配置計画の見直しなどを、本市として福島県へ要請するよう市長に要望致しました。そこで、以下伺います。

⑬まず、(仮称)阿武隈南部風力発電事業について、本事業は、風力発電所の建設から維持管理までの関連産業の雇用創出や地元企業への発注、売電収益の一部を利用した復興支援や地元振興などが目的とされていますが、電力供給先も含めて、雇用創出などの事業目的が具体的にはどの程度になると、本市は承知しているか、お尋ね致します。
—答弁(産業振興部長)
 県が推進する「風力発電拠点形成プロジェクト」の目的は、豊富な風力資源を活用した再生可能エネルギーの導入拡大と併せ、関連産業の振興を図り、浜通りの復興を牽引することとしております。
そのため、県によれば、風力発電施設の設置が、県内の関連産業の集積や復興の加速化に着実に結び付くよう、効果的な仕組みや手法等について、鋭意、県において検討を進めているとのことであります。
 また、県のプロジェクトに位置づけられた事業の一つである(仮称)阿武隈南部風力発電事業については、公募により選定された発電事業者によれば、現在、電力の供給先や雇用創出、地域貢献策等の詳細を、発電規模などと併せ、検討を進めている状況とのことであります。
 なお、市といたしましては、風力発電施設が多くの電気・機械部品から構成され、本市のものづくり産業の技術を生かせる分野であることなどから、風力メンテナンス産業を中心とした関連産業の集積を図っていくこととしております。

⑭次に、(仮称)阿武隈南部風力発電事業への本市のこれまでの対応について、事業者からの事業説明、福島県知事からの環境影響評価方法書への意見聴取など、本事業に対して、本市はどのように対応してきたのか、お尋ね致します。
—答弁(生活環境部長)
(仮称)阿武隈南部風力発電事業につきましては、これまで環境影響評価法に基づく計画段階環境配慮書及び環境影響評価方法書の公告・縦覧にあわせ、エコ・パワー株式会社が、本市関係各課に配慮書や方法書の内容についての説明会を開催したところであります。
 また、環境影響評価法に基づき、平成28年3月29日に、当該配慮書に対する意見書を事業者に対して提出するとともに、平成29年5月31日には、当該方法書に対する意見書を県に対して提出したところであります。
 なお、その主な内容といたしましては、いずれも水環境や動植物・生態系、騒音・低周波音、景観並びに人と自然の触れ合いの活動の場など環境全般への影響の回避・低減を求めるものとなっております。

⑮次に、環境影響評価方法書についての意見について、昨年、「環境影響評価法」に基づき、環境の保全の見地から意見書が14通提出され67件の意見がありましたが、本市はこれらの意見をどう評価しているか、お尋ね致します。
—答弁(生活環境部長)
 方法書に対する一般の方々からの意見につきましては、環境影響評価法第9条に基づいて、事業者から本市に対し、平成29年5月15日付けで送付されており、騒音・低周波音、景観並びに水環境などに関する様々な意見が提出され、それぞれの観点から環境全般への配慮に係る意見が述べられているものと考えております。

⑯次に、風車等の施設工事中の資機材の搬出入やその経路について、事業者はアクセス道路を国道399号として道路新設や拡幅が低減できるとしてますが、風車施設建設には広大な土地が必要で、施設工事中の資機材の搬出入とその経路によっては、道路新設や拡幅等が想定されます。本市はどう承知しているか、お尋ね致します。
—答弁(生活環境部長)
 方法書によりますと、風力発電機につきましては、小名浜港から国道6号、県道小野四倉線、国道399号及び敷屋(しきや)林道(りんどう)大戸沢(おおとざわ)支線(しせん)を経由する経路、または、小名浜港から国道6号、県道いわき浪江線、県道小野富岡線及び国道399号を経由する経路により、対象事業実施区域まで輸送し、工事用資機材につきましては、県道上戸渡広野線や県道八茎四倉線などを使用して、対象事業実施区域へ搬出入する計画となっております。
 また、国道399号及び敷屋(しきや)林道(りんどう)大戸沢(おおとざわ)支線(しせん)については、事業者による拡幅工事が予定されているところであります。
 なお、風力発電機及び工事用資機材に係る経路につきましては、次の手続である準備書において、より詳細に示されることから、その内容について十分に確認して参りたいと考えております。

⑰次に、風車等の施設や資機材の搬出入路の建設に伴う影響について、建設工事は、大規模な自然環境の改変を伴い、土地の改変による雨水への影響、土砂の流出や周辺中小河川での土石流の発生、生活用水への影響のほか、屹兎屋山から猫鳴山、二ツ箭山の山岳縦走ルートの登山道と景観の改変、長期間の工事による騒音等、隣接地域の生活環境への影響、希少野鳥の繁殖活動の阻害や動植物全般への影響等が考えられますが、本市はどう承知しているか、お尋ね致します。
—答弁(生活環境部長)
 風力発電機等の施設や搬出入路の建設に伴う影響につきましては、風力発電機の設置・稼働による景観、騒音・低周波音、人と自然の触れ合いの活動の場や、土地の改変による水環境並びに動植物・生態系への影響などが考えられることから、環境影響評価法に基づく手続において、県に対して、これら環境全般について環境保全措置を検討するなどして、環境全般への影響を回避・低減するよう意見したところであります。

⑱次に、風車設備耐用年数終了後の撤去等について、風車設備の耐用年数は約20年とされ、その後の設備維持や撤去、撤去の際の費用負担などは明らかにされていません。撤去費用は1基あたり「中型機(750キロワット)でおよそ8,000万円、輸送費や跡地の整地を入れれば1億円」との試算もあります。阿武隈南部風力発電事業では、この4.5倍・3,400キロワットの大型機のため、43基の撤去費用は莫大なものです。撤去後の跡地整地で自然環境復元は可能なのかも懸念されますが、風車設備耐用年数後の撤去等について、本市はどう承知しているか、お尋ね致します。
—答弁(生活環境部長)
 事業者によりますと、風力発電設備の耐用年数経過後は、建替えなどによる事業の継続、または事業を終了して撤去することを予定しておりますが、最終的には、その時点における事業環境を踏まえ、適切に判断するとのことであります。

⑲次に、事業計画区域における風車配置について、現状では、隣接地域の小川町上小川地区などでの騒音・低周波音、水質、景観、放射線などの生活環境への影響や動物、生態系など本市の貴重な自然環境の消失などにつながらないか、お尋ね致します。
—答弁(生活環境部長)
 本市としましては、これまで環境影響評価法に基づく手続において、生活環境や動植物・生態系などへの影響を回避・低減するよう意見してきたところであります。
 その具体的な内容としましては、騒音・低周波音については、風向・風速等の気象条件や地形等の地域特性の影響を受けることから、予測地点を広範囲に適切に設定し、風力発電機の配置、規模及び構造等の決定に際して、複数案の配置計画を検討することや、野生動植物については、その調査範囲や地点、期間、時期及び調査方法等を適切に設定するほか、希少種が確認された場合には、調査範囲を広げるなど、より詳細な調査を実施することなどであります。

今後の対応について、環境省の「風力発電施設から発生する騒音に関する指針」や周辺住民、環境保護団体、山岳愛好団体など市民のみなさんの要望も踏まえ、環境影響の未然防止の観点から、風車の設置回避や計画区域内における施設の適地のゾーニング設定など、風車配置計画の見直しによる具体的な対策等が講じられるよう、市長は、事業者や福島県に対して求めるべきではないか、お尋ね致します。
—答弁(生活環境部長)
 (仮称)阿武隈南部風力発電事業につきましては、先般、環境影響評価法に基づく手続において、県に対し、風力発電機や変電所の配置などにあたっては、複数案の配置計画を検討するなどして、環境全般への影響を回避・低減するよう意見したところであります。
 本市といたしましては、引き続き、環境影響評価法に基づく手続において、県に対し、動植物・生態系などを含む環境全般への影響の回避・低減について意見して参りたいと考えております。
 なお、風力発電事業につきましては、本事業のように、市町村を跨がって実施されるなど広域的な視点が必要であることから、ゾーニングの設定などの必要性については、県に対して、働きかけて参りたいと考えております。


 本市が43基の大型風車群の設置に伴う乱開発から住民の生活環境を守り、地域の優れた自然環境と生物多様性を保全して、後世に豊かな郷土を残すため、適切に、適切に対応することを要望して次に移ります。

2点目は、(仮称)イオンモールいわき小名浜開業に伴う課題について、です。

(仮称)イオンモールいわき小名浜の6月開業が迫りました。
21)まず、本市とイオンモール株式会社の基本協定に基づく進捗状況について、「小名浜の新しい玄関口づくり」、「港湾背後地の特徴を生かした商業サービス拠点づくり」、「多様な機能を有する複合交流拠点づくり」「安全・安心なまちづくり」、「既成市街地との連携強化」を掲げ事業を推進していますが、基本協定に基づく現時点での進捗状況はどうか、お尋ね致します。
—答弁(都市建設部長)
 「小名浜の新しい玄関口づくり」に向けましては、震災復興土地区画整理事業等により、都市計画道路平磐城線の延伸や交通ターミナルなどの基盤整備を進めてきたところであり、「商業サービス拠点づくり」に向けましては、都市センターゾーンにおいて、マルチエンターテインメント機能を有する(仮称)イオンモールいわき小名浜の建設が進められているところであります。
 また、「複合交流拠点づくり」に向けましては、都市センターゾーンとアクアマリンパーク及び既成市街地を連絡する複数のペデストリアンデッキの整備により、回遊性の向上が図られたところであり、「安全・安心なまちづくり」に向けましては、津波に対する防災性を高めるため、イオンモールをはじめ、国及び県庁舎をピロティ構造とするとともに、今後、イオンモールと防災協定を締結し、地域防災拠点としての役割を果たすものであります。
 さらに、「既成市街地との連携強化」に向けましては、地域協力のもと、景観形成重点地区が小名浜港まで延伸されるとともに、「汐風竹町通り」が地域のイベント等に活用されているところであります。
 このように、国、県、市及びまちづくり団体等が相互に連携し、着実に事業推進を図ってきたところであります。

22)次に、交通渋滞の緩和策ついて、定額定期循環バスなど公共交通網の整備を含めて、想定される交通渋滞緩和策の進捗状況はどうか、お尋ね致します。
—答弁(都市建設部長)
 交通渋滞の緩和策につきましては、イオンモール株式会社が、大規模小売店舗立地法に基づき必要とされる来店者用駐車場を整備するとともに、アクアマリンパーク内の駐車場との共同利用に向け、各施設管理者間において協議を進めているところであります。
 また、路線バスにつきましては、いわき駅や泉駅と小名浜を結ぶ路線などを
乗り入れることとし、バス事業者とイオンモール株式会社との間で具体的な本数やダイヤ等について、協議を進めているところであり、高速バスにつきましては、共同運行を行うバス事業者間において、運行開始時期や乗り入れる路線、運行ルート等に係る協議・調整が進められていると伺っております。
さ らに、タクシーにつきましては、福島県タクシー協会いわき支部において、具体的な乗り入れ方針等を検討しているところであり、定額定期循環バス等につきましては、オープン後の交通需要の変化や交通渋滞の状況を踏まえた上で、その必要性について、バス事業者やイオンモール等と協議して参りたいと考えております。

23)次に、雇用対策について、雇用対策にどう対応しているか、お尋ね致します。
—答弁(産業振興部長)
 市内の有効求人倍率が、高い水準で推移していることから、これまで、イオンモール株式会社等に対し、市外からの求人活動を積極的に行うよう、機会を捉えて伝えてきたところであります。
テナントの一つとされている(仮称)イオンスタイルいわき小名浜においては、「東北」と「関東」の管轄エリアの垣根を越えて、今回、通勤圏内となる茨城県北部においても、新聞折り込みなどにより求人活動が行われております。
 一方、市内事業所に対しましては、市内の雇用情勢を踏まえ、ハローワークとの連携のもと、人手不足業種にかかる企業説明会や、UIJターン促進を目的とした合同企業説明会を企画、実施してきたほか、先月14日に開催した「いわき人財育成企業アワード2018」に合わせて、採用や職場定着にかかるノウハウを専門家から提供いただいたところであります。
 市といたしましては、今後につきましても、(仮称)イオンモールいわき小名浜の開業にかかる求人の動向を注視するとともに、ハローワークと緊密な連携を図りながら、人材の確保、求人・求職のミスマッチの解消に取り組んで参りたいと考えております。

24)地域との共生について、商業者はじめ地域との共生は進んでいるのか、お尋ねして、私の質問を終わります。
—答弁(産業振興部長)
 イオンモール株式会社によりますと、テナントの決定状況等についてはオープンの概ね1カ月前まで発表を差し控えたい、とのことでありますが、テナント以外での地元事業者との取引拡大については商工会議所からの要望を踏まえながら、事業者の選定、具体の取引内容や条件等の協議が進められております。
 また、小名浜地区との連携については汐風竹町フェスタをはじめ、いわき花火大会など、地域イベントや地域の伝統行事に積極的に参加、協力している、とのことであります。
 市といたしましても、地域との共生の取り組みを具現化するため、地域の商工団体などへの参加を呼びかけながら、盛岡市や苫小牧市など先行自治体におけるご当地WAONカードと連携した地域活性化事例研究の機会を先月設けたところでございます。
 また、イオンモールの出店を契機に、地域と事業者が有する様々な資源の中から、地域との共生に資する具体的な連携事項、活用手法等についての協議も、イオン株式会社との間で、並行して進めているところでございます。

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by kazu1206k | 2018-03-03 08:44 | 議会 | Comments(0)