2018年 04月 02日 ( 1 )

福島原発刑事訴訟支援団ニュース第5号 青空

「福島原発刑事訴訟支援団ニュース第5号 青空」が4月1日発行されました。巻頭言をご紹介します。

全国から集まろう!4~6月に13回の公判!
「厳正な判決を求める署名」を広げよう!


佐藤 和良(福島原発刑事訴訟支援団団長)

福島原発刑事訴訟支援団のみなさま
さくらの季節になりました。お元気でお過ごしでしょうか。

鎮魂の3月11日。東日本大震災、福島原発事故から丸7年。やはり、心穏やかではありません。思いがこみ上げてきます。

人々がのみ込まれた大津波、取り返しのつかない福島第一原子力発電所の事故。未だ政府の原子力緊急事態宣言も解除されず、地震の揺れを感じるたびに記憶が戻ってきます。

日本最大の公害事件、東電福島原発事故の責任を問う刑事裁判。業務上過失致死傷罪で強制起訴された東電旧経営陣3被告の第1回公判が開かれたのは、昨年6月30日でした。半年もかけた論点整理の後、本年1月から2月に3回の公判が開かれ2人の証人尋問が行われました。

1月26日の第2回公判では、永渕健一裁判長が「主要な争点の確認―福島第一原発事故の予見可能性とその概要、被害者1名の死亡の因果関係」「証拠として書証300余、物証1、証人20人を採用」「期日は17回まで指定。秋まで証人20人、被告人尋問まで終える」としました。

第2回公判の証人は東京電力元社員の上津原勉氏でした。機械系のメンテナンスが専門で、事故前は自治体対応の窓口業務、事故当時は、原子力設備管理部の部長代理、事故後に東京電力の事故報告書を作成しています。 上津原証人に対して、検察官役の山内弁護士は、柏崎刈羽原発で実施した津波被水対策を福島第一原発で対策した場合について、水密扉や防潮壁をどのようにつくるかを尋ねると、上津原証人は「ハード的には、事故を防げた可能性はある」「防潮堤は、10m盤に10mの防潮堤をつくれば事故を防げた」「津波の波力と漂流物を考え、基礎をしっかり作らねばならないので、工事中はプラントを停止する必要がある」と証言しました。

2月8日の第3回公判では、新たに、証拠として、検察官役の指定弁護士から3点、被告弁護士から64点の書証が提出され、証拠の要旨説明が行われました。

検察官役の指定弁護士は、東京電力土木グループの社内メールで、武藤被告らが具体的な津波対策を継続して議論していたことを明らかにしました。2009年7月のメールでは、「武藤常務(当時)以下で、議論を重ね構造物での対策を検討してきております」が、「周辺集落の津波高が高くなるので、このような対策は社会的に受け入れられないとの判断」と記述されていました。

これは、2008年6月10日の武藤被告に15.7mの津波高が報告された会合を含めて、武藤被告ら経営陣と1年以上にわたり、防潮堤を含む具体的津波対策を議論してきたことを示すものでした。

2月28日の第4回公判では、東京電力の100%子会社・東電設計の社員久保賀也氏が証言しました。同社は企画・調査から設計・監理まで行うコンサルティング会社で、証人は、同社の土木本部構造耐震グループに所属、事故3年前に福島第一原発の津波想定を15.7mの津波高とまとめた津波計算の技術責任者を務めていました。

検察官役の石田弁護士が「何の仕事をしていたか」と尋ねると、久保証人は「耐震バックチェックの一環で地震の随伴事象である津波の検討、1Fと2Fの津波評価の業務委託を東京電力から依頼された」「平成19年(2007)11月に業務委託の打診があり、協議の都度、文書で確認し、契約仕様書(発注書)をつくった」と証言。そして、カウンターパートナーは、業務委託を依頼された東京電力原子力設備部の金戸氏で、協議の場に必ずいたことを証言しました。

久保証人は、3人で、津波高シミュレーションを行い、2008年3月、最大で15.7mを超える可能性がある速報値を東京電力の金戸氏や高尾氏らに面会して手渡した。その際、「東京電力には津波対策などの問題は残ると言われたが、結果は受領された」と証言しました。また、同年4月、10m盤の上に10mの防潮堤を作る鉛直壁でどこまで津波高が来るかの試算依頼に対して、試算を金戸氏らに手渡したことも証言しました。

そして、2002年の文部科学省地震調査研究推進本部による地震活動の長期評価について、2007年11月時点で、「長期評価が新しい知見として取り入れることが決まった訳ですね」と尋ねられると、「そうです」と証言しました。

さらに、15.7mの津波高シミュレーション後に、東京電力から東電設計に対し「なんとか津波高を解析で小さくならないか」「解析上の摩擦係数の見直しできないか」と依頼があり、久保証人は「数値は土木学会の手法に則っているので、変更はできない」と断り、解析条件を変えて試算したが、数値は15mを超え変わらなかったと証言しました。

このように1月から2月の証人尋問では、2人の証人が重要な証言を行いました。これからも、様々な事実が明らかにされていくと思います。

今後、4月から6月まで、13回の公判が開かれます。私たちは、引続き福島から公判の傍聴にかけつけます。被害者参加人の代理人として出廷する弁護団からの報告も毎回行い、公判内容を国内外に発信していきます。どうか、全国から傍聴に駆けつけてくださるようお願い申し上げます。

真の被害者救済の道を開くため、事故原因の究明、旧経営陣3被告の有罪を求め、東京地裁が厳正な判決を下すよう、東京電力福島原発刑事訴訟「厳正な判決を求める署名」を一人でも多くの方に広めてくださるよう、重ねてお願い申し上げます。

一緒に手をつないで一歩一歩前へ進みましょう。よろしくお願い申し上げます。


●第5号内容
1.全国から集まろう!4~6月に13回の公判!
 「厳正な判決を求める署名」を広げよう!
 佐藤 和良(支援団団長)

2.入会された方々から支援団へのメッセージ
  いただいた数多くのメッセージから、ごく一部ですが抜粋してご紹介します。

3.第3回・第4回公判報告
 海渡雄一(福島原発告訴団弁護団・被害者参加代理人)

4.事故3年後に作られた証拠 刑事裁判傍聴記:第4回公判
 添田孝史(サイエンスライター、元国会事故調協力調査員)


今後の公判予定について

4月…10日(火)、11日(水)、17日(火)、24日(火)、27日(金)
5月…8日(火)、9日(水)、29日(火)、30日(水)
6月…1日(金)、12日(火)、13日(水)、15日(金)

●公判の時間はすべて10時~17時(昼休憩挟む)
●傍聴整理券配布時間は8:20~9:00予定(約1週間前に裁判所HPで発表されます)

●公判終了後には、毎回、裁判報告会を行います。
・4月10日 参議院議員会館 101室 17時頃~
・4月11日 参議院議員会館 102室 17時頃~
*会場は11時から開場します。休憩等にご利用ください。

色の公判日程は、公判併行の集会を開催します。
・4月17日 参議院議員会館 講堂 11時~16時半頃
・17時頃から裁判報告会・記者会見
*以降は会場未定です

●下記から、福島原発刑事訴訟支援団ニュース第5号 青空のpdfがご覧になれます。支援団を、知人・友人のみなさまにもご紹介いただければ幸いです。
https://shien-dan.org/wp-content/uploads/news-letter-no005.pdf

 「厳正な判決を求める署名」を行っています。
 紙署名のための署名用紙をHPからダウンロードできます。また、ネット署名でも取り組んでいますので、賛同を呼びかけます。→ https://shien-dan.org/201712-syomei/



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by kazu1206k | 2018-04-02 22:52 | 脱原発 | Comments(0)