2018年 08月 08日 ( 1 )

子ども・被災者法関連の来年度予算で省庁要望

 8月8日午後、衆議院第二議員会館で、原発事故子ども・被災者支援法推進自治体議員連盟の主催による「原発事故子ども・被災者法関連の来年度予算に関する省庁要望とヒアリング」が、福島はじめ各地の自治体議員などが参加して行われました。
 最初に、自治体議員連盟から「原発事故被災者への支援施策等の改善を求める要請書」が読み上げて提出されました。(下記の掲載)それを受けて、復興庁・国土交通省・文部科学省・原子力規制委員会原子力規制庁より「住宅の確保について」「福島県の子供たちを対象とする自然体験・交流活動支援事業について」「リアルタイム線量測定システムの配置について」、それぞれ要請項目への回答があり、それについての質疑、意見交換が活発に行われました。ヒアリングには山崎誠衆議院議員に同席して頂きました。 
  
 住宅の確保については、「営住宅の入居制度の改善、県外自主避難者支援体制の強化、民間賃貸住宅の家賃支援の継続を含めた福島県との協議など、「法」に基づく抜本的・継続的な住宅支援をめざすこと」との要請に対し、
 国土交通省は、『昨年10月施行された改正住宅セーフティネット法に基づき、自主避難者を住宅確保要配慮者に位置づけ、居住支援をしている。8月1日現在、全国で民間賃貸の空家のオーナーが登録しているのは1140戸。要配慮者を拒まないかどうかは、オーナーの判断で、東日本大震災被災者に733戸が登録している。単身高齢者、障害者、避難者の属性は不明』と回答。復興庁も『全国生活再建支援拠点とも連携して、公営のあっせん等行う。福島県と連携して、検討していく。』と回答。
 自治体議連などは、「ニーズを把握してほしい。避難者の実態調査をなぜしないのか。実態を把握することで、必要な予算付け、支援の施策ができるのではないか」「福島県以外の避難者については全く把握できていない。茨城、栃木の避難者もたくさんいる」「避難者の居住の権利が侵害されている。民間賃貸に居住する避難者は、全国で2000世帯。東京の空家の登録はゼロに近い。居住の保障には実態調査が欠かせない。
来年3月で民賃が切られる避難者の調査はどこでやるのか」「県の意向だけを聞いていれば打ち切られる恐れがある。実態調査を県と国とでやると、この場で言ってほしい」と訴えました。
 さらに「来年度予算に自主避難者への支援がどれだけ反映されるのか。2017年度の復興予算の不用額が3800億円にのぼる。原資は国民が払った復興特別税だ。復興予算は20年度までの10年間で32兆円が確保されているが、これだけ毎年不用額が出るのはおかしいではないか。不用額を19年度で手当できるのではないか」「民賃の補助2万円で換算すると、総額は5億円。復興予算は相談支援事業にお金を投入しすぎ。家賃補助など具体的で必要な支援に投入すべきだ」など、住宅の確保に向けて復興予算の適正な配分を求めました。

 「福島県の子供たちを対象とする自然体験・交流活動支援事業 」については、「子どもたちや実施団体に寄り添った事業の改善と事業費の増額など、充実強化を図ること」との要請に対し、
 文部科学省は、『被災者支援総合交付金の中で、ハイキングや農林業自然体験に対し、9割補助。幼稚園、保育園、小中学校が対象。来年度の予算は、福島県教委と調整中』『外でも活動可能。464園参加した中で、県外にいったのが158件。また、学校や園だけでなく、社会教育団体も対象となっている。5件、104名』『予算増額は、復興庁と相談しながら予算をつける』と回答。
 自治体議連などは、「今の制度は使い勝手が悪い、条件を色々付けすぎ。除染などハード面に何兆円も投入していながら、子どもたちの健康などソフト面には予算をつけない。実態調査をやるべき」「学校や保育園単位ではなく、親子揃っての保養が大切。また、新生児は枠外なのも問題。県教委にお任せするのではなく、県外の自腹を切っている民間の支援団体にこそ補助を出すべき」「住宅支援打ち切りで福島に帰還した親子が保養に行く例が多くなっている。保養に来た親子の表情を見に来てくれ。どのくらい大事なのか分かるはずだ」「保養の効果は非常に大きい。3.11のとき高校生で被曝したひとが今、子供を産んでいる。保養の予算を増額すべき。現実に保養にいった子どもは、内部被曝の量が下がっている」と訴えました。

 リアルタイム線量測定システムの配置については、「廃炉作業が完了まで配置を継続すること」と要請したのに対し、
  原子力規制庁は、『31年度も同等の予算をつける。リアルタイム線量計は可搬型もいれて保守点検に6億円、正常に稼働しているかどうか監視するのに2億円、合計8億円。撤去はこれまでもあった。地権者がのけろと要請したり、学校や保育園の統廃合、学校の移転などで撤去してきた。機械が年数が立ち劣化し、保全に費用がかかっている。昨年度は100件撤去した。31年度は移設と撤去を合わせて、1億円』『今は10メートルしか離れていないところに2台置かれたり、適性配置がなされていない問題がある』と回答。
 自治体議連などは、「郡山市では、撤去しないで欲しいという署名活動が起きている。撤去反対の意見書が10市町村議会で採択された。3.11のとき被曝させてしまったという苦い思いのお母さんが多い。風評被害が心配なので撤去するというのであれば、逆に「全国各地に置いてほしい」と言う声が郡山ではある」「いわき市議会では全会一致で、継続配置の請願や意見書を採択。今年1月10日、更田さんがいわきに来た時に、いわき市長が冒頭、「継続配置」を申し入れたにもかかわらず、3月20日に撤去を決めた。基礎自治体の意向を全く無視している。いわき市にある419本を学校などの先生は毎朝チェックして仕事にはいる。小児甲状腺がんが増えている現状では、撤去すべきではない」「小金井市など、全国の自治体でも撤去反対の意見書が採択されている」「福島県の問題だけではない。佐倉市も事故直後はかなり汚染され、いまだにホットスポットが残っている。関東各地で同じ状況だ。学校等ではいまだに定期的に線量を測定しているのに、福島県でモニタリングポストをやめてしまうというのはとんでもない。また事故やトラブルが起きた時のために、線量が可視化できるモニタリングポストは撤去すべきではない」と訴えが続いた。


原発事故被災者への支援施策等の改善を求める要請書
2018年8月8日

内閣総理大臣 安倍晋三 殿
復興大臣   吉野正芳 殿
国土交通大臣 石井啓一 殿
文部科学大臣 林芳正  殿
原子力規制委員会 更田豊志 殿                      
                   
「原発事故子ども・被災者支援法」推進自治体議員連盟
福島原発震災情報連絡センター

 福島原発事故から7年5ヶ月、政府の原子力緊急事態宣言も未だ解除されていません。しかし、政府の原子力災害対策本部は、2015年以来、2017年3月には避難指示区域指定の解除・区域外避難者の住宅支援の打ち切り、2017年5月には帰還困難区域内に「特定復興再生拠点区域」を定めるなど、帰還政策を促進してきました。その結果、ふるさとを追われ家族や地域が分断されたまま、避難者は長期避難により生活に困窮することとなり、また留まった者も長期の低線量被曝を強いられています。
 「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」(以下「法」)は、「(被災者の)支援対象地域からの移動の支援」「移動先における住宅の確保」(法第九条)、「定期的な健康診断」「健康への影響に関する調査」(法第十三条第2項)、「子ども及び妊婦」や「その他被災者」への「医療の提供」や「費用負担の減免」(法第十三条第3項)等の施策を講ずることを定めていますが、政府の「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針」に関する施策は、法の趣旨の実現に遠く、被災者の実状に応えるものになってはおらず、支援の不十分さが指摘されています
 住宅の確保については、福島県の激変緩和措置による、民間賃貸住宅の2年間の家賃支援も2019年3月には打ち切られ、多くの避難者が不安の中にいます。また、そもそも国や県の住宅支援制度が限定的だったために、その対象外となっている避難者の声は放置されています。法の趣旨に基づく抜本的・継続的な住宅支援制度の再構築が必要です。
さらに、「福島県の子供たちを対象とする自然体験・交流活動支援事業 」については、2017年度は2億6千万円に減額されました。政府の帰還政策促進により保養のニーズが増えている実状から、全国保養実態調査報告書によれば、107団体9,000人の子どもたちが県外保養を行い、平均5.3日の参加で、1回1人7万円の費用がかかり、およそ234以上の団体で推定15,000人が保養に参加している実状にあります。
また、リアルタイム線量測定システムについては、原子力規制委員会が、今年3月、事故による避難指示が出た12市町村以外の、子どもが活動する保育所や学校、公園などに設置された県内約2400台のリアルタイム線量測定システムを、2020年度末までに撤去するという方針です。しかし、原発事故が収束しない現状では、県民はもとより多く自治体首長と自治体議会が撤去反対の意思を示し、原子力規制庁に継続配置を求めています。
 私たちは、原発事故被災者への支援施策等の改善を求め、2019年度予算に反映するよう、以下の通り要請します。

1、住宅の確保について、公営住宅の入居制度の改善、県外自主避難者支援体制の強化、民間賃貸住宅の家賃支援の継続を含めた福島県との協議など、「法」に基づく抜本的・継続的な住宅支援をめざすこと。
2、「福島県の子供たちを対象とする自然体験・交流活動支援事業 」について、子どもたちや実
施団体に寄り添った事業の改善と事業費の増額など、充実強化を図ること。
3、リアルタイム線量測定システムの配置について、廃炉作業が完了まで配置を継続すること。

以上
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by kazu1206k | 2018-08-08 23:36 | 脱原発 | Comments(0)

佐藤かずよし


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