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2019年 01月 03日 ( 1 )

福島第1原発1・2号機排気筒の上部解体工事

 東日本大震災と福島原発事故から、今年の3月11日で丸8年が経とうとしています。
 依然、あの日発令された政府の原子力緊急事態宣言は未だ解除されておらず、福島第一原発の事故収束作業は続いています。
 事故の際に、大量の放射性物質を環境中に放出するベントを行い、腐食による倒壊の危険性が指摘されてきた、福島第1原発1・2号機の排気筒(鉄骨構造・高さ120メートル)の地上60mから120mまでの上半分を、3月から、大型クレーンなどで筒身や鉄塔の切断を実施する解体工事が始まります。
 福島第1原発1・2号機の排気筒は、高さ約66メートル付近の接合部で、支柱の破断が5ヵ所、変形が3ヵ所確認され、45m付近で「V」字形に取り付けられた支柱の一本の接合部が完全に切れ破断していることなどが確認されてきました。
 排気筒の亀裂ついて、東京電力は、東北地方太平洋沖地震の揺れと水素爆発を受けているにもかかわらず、30年の経年劣化も考慮せずに、施工当時の数値で支柱破断の影響を見る耐震評価を行い、東北地方太平洋沖地震と同程度の最大加速度600ガルの地震動に対し健全性は保たれると強弁し続けました。そして、「点検の結果、初回点検時に確認された変形や破断箇所以外には、新たな損傷は確認されません」と繰り返してきましたが、外部のマスコミ等の指摘で損傷確認が追加されるという、依然杜撰な点検体制の不備が指摘されきました。
 もともと、1号機の高経年化に関する技術評価書では、排気筒の推定耐用年数は20年、内訳は塗膜が16年、鋼材が4年で、塗膜の効果がないと4年で鋼材の断面積が平均10%減少すると推定。2007年の塗膜は、2011年爆発で損傷しており、損傷箇所の鋼材は6年間、塩分を含む風雨に曝され、断面積減少、鋼材の腐食による強度の不足が懸念されてきました。原子力規制庁も、排気筒の亀裂問題について、判明した2013年9月に倒壊に伴う環境影響評価を示すように東京電力に指示してきました。
 排気筒の線量率は、東京電力によれば地上120mでは毎時0.5ミリシーベルト、地上60mでは毎時1.5ミリシーベルト程度とされますが、排気筒の下は、致死量を超える毎時25シーベルトもの高線量地点(2013年12月東電調査)があり、依然として立ち入り禁止区域として危険な環境にありました。排気筒が倒壊すれば、排気筒内部や下部に蓄積されたベントの際の大量の放射性物質が飛散するばかりか、メルトダウンが最も進んだ2号機の建屋が一部でも破損すれば、建屋内に滞留している大量の放射性物質のダストが、近隣に大量の放射性物質のプルームとして流れ出す危険性が指摘されてきました。
 排気筒の亀裂問題は危険な状態が続いており、地上60mから120mまでの上半分を解体する方針ですが、ベントの際の大量の放射性物質のダスト飛散を防止する対策を徹底することが求められています。また、高線量エリア近接作業のため、作業者の被ばく線量の徹底した管理と被ばく低減策が求められています。さらに、危険除去のため全面解体を求める声もあります。
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by kazu1206k | 2019-01-03 22:41 | 脱原発 | Comments(0)