カテゴリ:雇用( 16 )

高度プロ制度創設など働き方改革法案に反対、日弁連

 日本弁護士連合会は、「高度プロフェッショナル制度を創設する法案の国会提出に反対する会長声明」(3月8日)を発表、3月27日には「働き方改革法案の「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保」部分についての意見書」(3月15日)をとりまとめ、厚生労働大臣に提出しました。
 安倍内閣による、今国会での「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」の提出に反対しています。

●高度プロフェッショナル制度を創設する法案の国会提出に反対する会長声明

政府は、第196回通常国会に、企画業務型裁量労働制の拡大や特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設を含む「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」の提出を予定していたところ、本年3月1日、安倍首相が、企画業務型裁量労働制の拡大については、今通常国会に法案を提出しないと発表した。他方、高度プロフェッショナル制度創設については、依然法案を提出予定であると述べている。

企画業務型裁量労働制の拡大や高度プロフェッショナル制度の創設は、2015年の第189回通常国会に提出された労働基準法改正案にも盛り込まれていたものの、実質審議が行われないまま廃案となったものである。当連合会は、2017年11月22日付け「働き方改革を推進するための労働基準法の一部改正案の国会提出に反対する会長声明」において、企画業務型裁量労働制の拡大や高度プロフェッショナル制度の創設について、長時間労働を助長しかねない内容を含むものであり、労働者の命と健康の保持の視点からすれば、これをそのまま法制化すべきでなく、法案が国会に提出されることに反対する声明を公表している。

政府は、企画業務型裁量労働制の拡大について、第189回通常国会以来、「厚生労働省の調査によれば、裁量労働制で働く者の労働時間の長さは、平均的な者で比べれば、一般労働者よりも短いというデータもある」との説明により正当化してきた。しかし、今通常国会においては、政府は、このデータが不正確なものであるとして、答弁を撤回し、企画業務型裁量労働制の拡大について法案から削除するに至っている。政府が不正確であることを認めたデータは、高度プロフェッショナル制度導入の根拠としても利用されていたものである。根拠資料の不正確性が明確になった以上、労働時間規制を全面的に排斥する高度プロフェッショナル制度を創設する立法事実、正当化根拠は、疑わしい状況となっている。

当連合会は、2014年11月21日付け「労働時間法制の規制緩和に反対する意見書」においては、高度プロフェッショナル制度のような労働時間規制の適用除外制度を創設することの問題点を詳細に指摘し、労働時間規制の緩和に反対する意見を述べている。当連合会は、高度プロフェッショナル制度の危険性を改めて指摘するとともに、同制度を創設する法案を国会に提出しないことを求める。

  2018年(平成30年)3月8日
 日本弁護士連合会      
  会長 中本 和洋 

●働き方改革法案の「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保」部分についての意見書

 2018年3月15日
 日本弁護士連合会

本意見書の趣旨

政府は、2017年9月15日、労働政策審議会の「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」(以下「要綱」という。)をおおむね妥当とする意見をうけて、要綱に基づく法律案(以下「働き方改革法案」という。)を今通常国会に上程し、法律の成立を図るとしている。

要綱に基づく働き方改革法案により、有期契約労働者、短時間労働者及び派遣労働者の低い労働条件を改善するため法整備をすることは評価するものである。

しかし、当連合会のこれまでの意見にもかかわらず、要綱は、有期契約労働者、短時間労働者及び派遣労働者の労働条件を改善するため法の趣旨の明確化やその実効性を担保するための方策について、さらに慎重に審議すべき課題も少なくない。そこで、今国会における法案の審議に当たり、働き方改革法案について、改めて、以下のとおり意見を述べる。

1 働き方改革法案の通称は、「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保法」とすべきである。

2 「不合理な待遇の禁止」と「均等待遇」の関係につき、労働契約法20条の均等待遇の適用が後退しないように規定を定めるべきである。

3 法的効力の問題について、以下のとおり規定すべきである。
(1) 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部改正(以下「パート労働法」という。)の「不合理な待遇の禁止」規定が私法的効力を有することを明確化し、「差別的取扱禁止」規定については労働契約の内容を補充する効力を有するか否かを条文上明確に規定すべきである。
(2) 労働者派遣法の一部改正についても、「不合理な待遇の禁止」規定が私法的効力を有することを明確化し、「正当な理由がなく不利なものとしてはならない」とする規定については労働契約の内容を補充する効力を有するか否かを条文上明確に規定するべきである。

4 派遣労働者に関する労使協定について、実効性を担保するための手続や賃金水準などを明確化すべきである。

5 司法による判断のための訴訟支援策(労働審判や日本司法支援センターの教示など)を設けるべきである。

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by kazu1206k | 2018-03-28 23:37 | 雇用 | Comments(0)

労働時間法制を考える院内市民学習会

日本弁護士連合会から「労働時間法制を考える院内市民学習会の開催」のお知らせです。

労働時間法制を考える院内市民学習会の開催について

政府は、2013年6月14日に、「日本再興戦略」と「規制改革実施計画」を閣議決定して以来、労働法制全般の規制緩和を進め、本年の通常国会において、労働基準法改正法案を含めた「働き方改革関連法案」が提出される見通しです。

労働基準法改正法案は、長時間労働の実効的な抑制策が曖昧なままに、一定の労働者について、使用者による労働時間管理義務を免除し、かつ、いわゆる残業代の支払さえも免除しようとするものであり、経済的負担により長時間労働を間接的に抑制しようとしてきた我が国の労働時間規制の歴史に逆行するものです。労働法制の行き過ぎた規制緩和は、労働者の権利確保の観点から極めて問題が多いと言えます。

日本弁護士連合会は、2016年11月24日付け「『あるべき労働時間法制』に関する意見書」等を公表し、労働者の命、生活および健康を維持するため、労働時間規制の安易な緩和を進めないよう繰り返し求めてきたところです。本学習会では、みなさんと一緒に「あるべき労働時間法制」について考えたいと思います。
ぜひご参加ください。


日時 2018年2月28日(水) 18時00分~19時45分(17時30分開場予定)
場所 衆議院第二議員会館1階 多目的会議室
 (【最寄駅】地下鉄丸ノ内線・千代田線『国会議事堂前』駅、地下鉄有楽町線・半蔵門線・南北線『永田町』駅)
参加費 無料
参加人数 定員140名
内容
1 来賓挨拶
2 日弁連からの報告
3 基調講演 川人 博 弁護士(東京弁護士会)
4 当事者・会場からの発言
5 取材に基づく現場報告 東海林 智 氏(毎日新聞記者) 
申込方法事前申込要
※事前にFAXにてお申込みください(FAX 03-3580-2896)
https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/event/data/2018/event_180228.pdf
主催
日本弁護士連合会
お問い合わせ先
日本弁護士連合会 人権部人権第一課 TEL:03-3580-9501

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by kazu1206k | 2018-02-25 16:44 | 雇用 | Comments(0)

労働時間法制を考える院内市民学習会

日本弁護士連合会の「労働時間法制を考える院内市民学習会」のお知らせです。

労働時間法制を考える院内市民学習会の開催について

政府は、2013年6月14日に、「日本再興戦略」と「規制改革実施計画」を閣議決定して以来、労働法制全般の規制緩和を進め、本年の通常国会において、労働基準法改正法案を含めた「働き方改革関連法案」が提出される見通しです。

労働基準法改正法案は、長時間労働の実効的な抑制策が曖昧なままに、一定の労働者について、使用者による労働時間管理義務を免除し、かつ、いわゆる残業代の支払さえも免除しようとするものであり、経済的負担により長時間労働を間接的に抑制しようとしてきた我が国の労働時間規制の歴史に逆行するものです。労働法制の行き過ぎた規制緩和は、労働者の権利確保の観点から極めて問題が多いと言えます。

日本弁護士連合会は、2016年11月24日付け「『あるべき労働時間法制』に関する意見書」等を公表し、労働者の命、生活および健康を維持するため、労働時間規制の安易な緩和を進めないよう繰り返し求めてきたところです。本学習会では、みなさんと一緒に「あるべき労働時間法制」について考えたいと思います。
ぜひご参加ください。


日時 2018年2月28日(水) 18時00分~19時45分(17時30分開場予定)
場所  衆議院第二議員会館1階 多目的会議室
 (【最寄駅】地下鉄丸ノ内線・千代田線『国会議事堂前』駅、地下鉄有楽町線・半蔵門線・南北線『永田町』駅)
参加費無料
参加人数定員140名

内容
1 来賓挨拶
2 日弁連からの報告
3 基調講演 川人 博 弁護士(東京弁護士会)
4 当事者・会場からの発言
5 取材に基づく現場報告 東海林 智 氏(毎日新聞記者) 

申込方法
事前申込要
※事前にFAXにてお申込みください(FAX 03-3580-2896)

主催
日本弁護士連合会
お問い合わせ先
日本弁護士連合会 人権部人権第一課 TEL:03-3580-9501

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by kazu1206k | 2018-01-30 23:20 | 雇用 | Comments(0)

労働時間法制を考える院内市民学習会

日本弁護士連合会から「労働時間法制を考える院内市民学習会」のお知らせです。

労働時間法制を考える院内市民学習会

政府は、2013年6月14日に、「日本再興戦略」と「規制改革実施計画」を閣議決定して以来、労働法制全般の規制緩和を進め、本年秋の臨時国会において、労働基準法改正法案を含めた「働き方改革関連法案」が提出される見通しです。

労働基準法改正法案は、長時間労働の実効的な抑制策が曖昧なままに、一定の労働者について、使用者による労働時間管理義務を免除し、かつ、いわゆる残業代の支払さえも免除しようとするものであり、経済的負担により長時間労働を間接的に抑制しようとしてきた我が国の労働時間規制の歴史に逆行するものです。労働法制の行き過ぎた規制緩和は、労働者の権利確保の観点から極めて問題が多いと言えます。

日本弁護士連合会は、2016年11月24日付け「『あるべき労働時間法制』に関する意見書」等を公表し、労働者の命、生活及び健康を維持するため、労働時間規制の安易な緩和を進めないよう繰り返し求めてきたところです。本学習会では、みなさんと一緒に「あるべき労働時間法制」について考えたいと思います。

ぜひご参加ください。

日時2017年10月12日(木) 18時00分~19時45分(開場17時30分 予定)
場所衆議院第二議員会館1階 多目的会議室
 (【最寄駅】地下鉄丸ノ内線・千代田線『国会議事堂前』駅、地下鉄有楽町線・半蔵門線・南北線『永田町』駅)
参加費・受講料無料 
参加対象・人数   定員140名

内容(予定)
1 来賓挨拶
2 日弁連からの報告
3 基調講演 緒方 桂子 教授(南山大学法学部) 
4 当事者・会場からの発言
5 取材に基づく現場報告 東海林 智 氏(毎日新聞記者)


申込方法
事前申込要 ※事前にFAXにてお申込みください(FAX 03-3580-2896)

PDFチラシ兼申込書 (下記)

主催日本弁護士連合会
お問い合わせ先
日本弁護士連合会 人権部人権第一課
TEL 03-3580-9501

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by kazu1206k | 2017-09-19 22:42 | 雇用 | Comments(0)

最低賃金額の大幅な引上げを求める日弁連声明

日本弁護士連合会は、6月2日、最低賃金額の大幅な引上げを求める会長声明を公表して、「当連合会は、2011年6月16日付け「最低賃金制度の運用に関する意見書」等を公表し、繰り返し、最低賃金額の大幅な引上げを求めてきたところであり、早急に1000円に引き上げることを求めている。2020年までに1000円にするという政府目標を達成するためには、1年当たり50円以上の引上げが必要であるから、中央最低賃金審議会は、本年度、全国全ての地域において、少なくとも50円以上の最低賃金の引上げを答申すべきである」と訴えています。以下に、掲載します。


最低賃金額の大幅な引上げを求める会長声明

中央最低賃金審議会は、近々、厚生労働大臣に対し、本年度地域別最低賃金額改定の目安についての答申を行う予定である。昨年、同審議会は、全国加重平均25円の引上げ(全国加重平均823円)を答申し、これに基づき各地の地域別最低賃金審議会において地域別最低賃金額が決定された。

しかし、時給823円という水準は、1日8時間、週40時間働いたとしても、月収約14万3000円、年収約171万円にしかならない。この金額では労働者が賃金だけで自らの生活を維持していくことは到底困難である。日本の最低賃金は先進諸外国の最低賃金と比較しても著しく低い。例えば、フランスの最低賃金は9.76ユーロ(約1218円)、イギリスの最低賃金は7.5ポンド(25歳以上。約1083円)、ドイツの最低賃金は8.84ユーロ(約1103円)であり、日本円に換算するといずれも1000円を超えている。アメリカでも、15ドル(約1667円)への引上げを決めたニューヨーク州やカリフォルニア州をはじめ最低賃金を大幅に引き上げる動きが各地に広がっている(円換算は2017年5月下旬の為替レートで計算。)。

我が国の貧困率は過去最悪の16.1パーセントにまで達しており、貧困と格差の拡大は女性や若者に限らず、全世代で深刻化している。働いているにもかかわらず貧困状態にある者の多数は、最低賃金付近での労働を余儀なくされており、最低賃金の低さが貧困状態からの脱出を阻む大きな要因となっている。最低賃金の迅速かつ大幅な引上げが必要である。

最低賃金の地域間格差が依然として大きいことも問題である。2016年度の最低賃金は、最も低い宮崎、沖縄で時給714円、最も高い東京で932円であり、218円もの開きがあった。しかも、このような地域間格差は年々拡大している。2006年の最低額と最高額の差は109円であったが、この10年間で地域間格差の額は2倍となっている。地方では賃金が高い都市部での就労を求めて若者が地元を離れてしまう現象も見られ、労働力不足が深刻化している。地域経済の活性化のためにも、最低賃金の地域間格差の縮小は喫緊の課題である。

なお、最低賃金の大幅な引上げは、特に中小企業の経営に大きな影響を与えることが予想される。政府は、最低賃金の引上げが困難な中小企業については、最低賃金の引上げを誘導するための補助金制度等の構築を検討すべきである。さらに、中小企業の生産性を高めるための施策や減税措置などが有機的に組み合わされることが必要である。私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律や下請代金支払遅延等防止法をこれまで以上に積極的に運用し、中小企業とその取引先企業との間での公正な取引が確保されるようにする必要もある。

当連合会は、2011年6月16日付け「最低賃金制度の運用に関する意見書」等を公表し、繰り返し、最低賃金額の大幅な引上げを求めてきたところであり、早急に1000円に引き上げることを求めている。2020年までに1000円にするという政府目標を達成するためには、1年当たり50円以上の引上げが必要であるから、中央最低賃金審議会は、本年度、全国全ての地域において、少なくとも50円以上の最低賃金の引上げを答申すべきである。

上記答申がなされた後に各地の実情に応じた審議が予定されている各地の地方最低賃金審議会においても、以上のような状況を踏まえ、最低賃金額の大幅な引上げを図り、労働者の健康で文化的な生活を確保するとともに、これにより地域経済の健全な発展を促すべきである。

2017年(平成29年)6月2日
日本弁護士連合会      
 会長 中本 和洋 
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by kazu1206k | 2017-06-05 23:46 | 雇用 | Comments(0)

労働時間法制に関する院内市民学習会

日本弁護士連合会は、4月20日に、「あるべき労働時間法制に関する院内市民学習会」を開催します。以下、ご紹介します。

あるべき労働時間法制に関する院内市民学習会の開催について

政府は、2013年6月14日に、「日本再興戦略」と「規制改革実施計画」を閣議決定して以来、労働法制全般の規制緩和を進めています。

労働基準法改正法案は、長時間労働の実効的な抑制策が曖昧なままに、一定の労働者について、使用者による労働時間管理義務を免除し、かつ、いわゆる残業代の支払さえも免除しようとするものであり、経済的負担により長時間労働を間接的に抑制しようとしてきた我が国の労働時間規制の歴史に逆行するものです。労働法制の行き過ぎた規制緩和は、労働者の権利確保の観点から極めて問題が多いと言えます。

日本弁護士連合会は、2016年11月24日付け「『あるべき労働時間法制』に関する意見書」等を公表し、労働者の命、生活及び健康を維持するため、労働時間規制の安易な緩和を進めないよう繰り返し求めてきたところです。本院内市民学習会では、みなさんと一緒に「あるべき労働時間法制」について考えたいと思います。

多くの皆様のご参加をお待ちしております。

日時 2017年4月20日(木) 18時00分~19時45分 (開場 17時30分予定)
場所 衆議院第一議員会館1階 多目的ホール
(【最寄駅】地下鉄丸ノ内線・千代田線『国会議事堂前』駅、地下鉄有楽町線・半蔵門線・南北線『永田町』駅)
参加費・受講料無料
参加対象・人数定員150名

内容①来賓挨拶
②野党法案の趣旨説明
③日弁連からの報告
④座談会 毛塚 勝利氏(法学者・元中央大学教授)他
⑤当事者・会場からの発言  など
申込方法事前申込要
※事前にFAXにてお申込みください(FAX 03-3580-2896)
チラシ兼申込書 (下記に掲載)
主催日本弁護士連合会
お問い合わせ先日本弁護士連合会 人権部人権第一課
TEL 03-3580-9857

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by kazu1206k | 2017-04-13 23:14 | 雇用 | Comments(0)

最低賃金大幅引上げ求め声明、日弁連

日本弁護士連合会は、7月13日付けで「最低賃金額の大幅な引上げを求める会長声明」を公表した。声明では「2020年までに1000円にするという目標を達成するためには、1年当たり50円以上の引上げが必要であるから、中央最低賃金審議会は、本年度、全国全ての地域において、少なくとも50円以上の最低賃金の引上げを答申すべきである」として、「最低賃金額の大幅な引上げを図り、地域経済の健全な発展を促すとともに、労働者の健康で文化的な生活を確保すべきである」と訴えている。

最低賃金額の大幅な引上げを求める会長声明

中央最低賃金審議会は、近々、厚生労働大臣に対し、本年度地域別最低賃金額改定の目安についての答申を行う予定である。昨年度の改定においては、全国加重平均18円の引上げ(全国加重平均798円)が行われた。

しかし、798円という水準では、フルタイム(1日8時間、週40時間、年間52週)で働いても、月収約13万8000円、年収約166万円にしかならず、労働者が経済的に心配なく暮らせる水準には程遠い。先進諸外国の最低賃金と比較しても、フランスは9.67ユーロ(約1219円)、イギリスは7.2ポンド(25歳以上。約1151円)、ドイツは8.5ユーロ(約1071円)であり、アメリカでも、15ドル(約1688円)への引上げを決めたニューヨーク州やカリフォルニア州をはじめ最低賃金を大幅に引き上げる動きが広がっているのに対し、日本の最低賃金はなお低い水準にとどまっている(円換算は2016年4月上旬の為替レートで計算)。

最低賃金周辺の賃金水準で働く労働者層の中心は非正規雇用である。非正規雇用は、全雇用労働者の4割にまで増加し、特に、女性の割合が多く、若年層で急増しており、しかも、家計の補助ではなく、主に自らの収入で家計を維持する必要のある非正規労働者が大きく増加した。貧困率が過去最悪の16.1パーセントにまで悪化し、女性や若者など全世代で深刻化している貧困問題を解決し、また、男女賃金格差を解消するためにも、最低賃金の大幅な底上げが図られなければならない。

最低賃金の地域間格差が依然として大きいことも問題である。昨年度の最低賃金時間額は、最も低い所では693円(鳥取県、高知県、宮崎県、沖縄県)、最も高い東京では907円であって、その間に214円もの開きがあり、地域間格差の拡大が続いている。急激な人口減少や県外への人口流出により労働供給が大きく減少している地域経済の活性化のためにも、地域間格差の縮小は喫緊の課題である。

政府は、2015年11月、最低賃金を毎年3パーセント程度引き上げ、全国加重平均が1000円程度となることを目指すとの方針を示したが、方針どおり、毎年3パーセントずつ引き上げたとしても、1000円に達するには2023年までかかる。しかし政府は、2010年6月18日に閣議決定された「新成長戦略」においては、2020年までに「全国平均1000円」にするという目標を明記しているのであるから、目標を後退させるべきではない。

当連合会は、2011年6月16日付け「最低賃金制度の運用に関する意見書」等を公表し、繰り返し、最低賃金額の大幅な引上げを求めてきたところであるが、2020年までに1000円にするという目標を達成するためには、1年当たり50円以上の引上げが必要であるから、中央最低賃金審議会は、本年度、全国全ての地域において、少なくとも50円以上の最低賃金の引上げを答申すべきである。

上記答申がなされた後に各地の実情に応じた審議が予定されている各地の地方最低賃金審議会においても、以上のような状況を踏まえ、最低賃金額の大幅な引上げを図り、地域経済の健全な発展を促すとともに、労働者の健康で文化的な生活を確保すべきである。


 2016年(平成28年)7月13日
日本弁護士連合会
   会長 中本 和洋
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by kazu1206k | 2016-07-14 23:09 | 雇用 | Comments(0)

派遣法改正に抗議・見直しを求め日弁連声明

日本弁護士連合会は、10月1日、「労働者派遣法の本件改正に抗議する。そして、国に対し改正法の附帯決議を重く受けとめ、常用代替の防止の理念を維持しつつ、均等待遇規定の導入、派遣先の団体交渉応諾義務の導入などにより派遣労働者の労働条件を向上させるため、労働者派遣法の速やかな見直しを行うよう求める。」とする「労働者派遣法の改正に抗議し速やかな見直しを求める会長声明」を公表した。以下に、紹介する。

労働者派遣法の改正に抗議し速やかな見直しを求める会長声明

通常国会において審議されていた労働者派遣法改正案(以下「改正法」という。)が、本年9月11日、施行日を本年9月30日と修正した上で可決成立した。

改正法は、派遣労働者について、派遣元で有期雇用であるか無期雇用であるかによって区分けした上で、派遣元で有期雇用されている派遣労働者については、政令指定26業務を含めて派遣労働者個人単位で3年を上限とする期間制限を設定し、他方、派遣元で無期雇用されている派遣労働者については期間制限を撤廃している。

改正法は、有期雇用の派遣労働者について、派遣先・派遣元事業者が3年経過するごとに派遣労働者を入れ替えさえすれば派遣労働を永続することが可能となり、派遣労働の固定化につながって、常用代替防止の理念は果たされないことになる。

無期雇用の派遣労働者について、均等待遇の確保策が盛り込まれていない中で派遣可能期間を撤廃すれば、直接雇用労働者がより低い待遇の派遣労働者に置き換えられ、常用代替を促進することになりかねない。すなわち、今回の改正法は、直接雇用の原則から導かれる常用代替の防止の理念を著しく軽視するものというべきであり、極めて問題である。

また、改正法は、派遣期間の満了した派遣労働者の雇用安定措置として、派遣先への直接雇用申入れ、派遣元での無期雇用化等を挙げているが、雇用契約を直接的に変更する効力はなく、実効性を欠いている。

そして、改正法は、当初の施行予定日であった本年9月1日を過ぎても成立しない中、2012年改正労働者派遣法で成立していた「直接雇用申込みなし」制度の施行日前日である本年9月30日に施行日を変更して再議決されるという極めて拙速な経過で可決された。派遣労働者の7割近くが改正法に反対しているとの報道もある中、十分な審議もなく改正法の可決が強行されたことは極めて遺憾である。

当連合会は、2013年11月21日付け「『今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会報告書』に対する意見書」において、本件改正のような方向性での労働者派遣法改正に反対するとともに、2010年2月19日付け「労働者派遣法の今国会での抜本改正を求める意見書」の方向性を提言することを改めて確認した。本件改正は、当連合会が上記意見書で述べた常用代替防止の理念を維持すべき等の意見に真っ向から反する。

改正法は、参議院厚生労働委員会で修正可決された際、過去に例をみない8分野39項目もの附帯決議が付けられたが、同附帯決議は、常用代替防止が派遣法の根本原則であることを確認するとともに、「派遣労働者と派遣先に雇用される労働者との均等・均衡待遇の実現のため、法改正を含めた必要な措置の在り方について議論を開始すること」、「派遣先の団体交渉応諾義務の在り方について、法制化も含めた検討を行うこと」等、上記意見書で求めた抜本的改正の足がかりになる内容も含まれている。

以上により、当連合会は、労働者派遣法の本件改正に抗議する。そして、国に対し改正法の附帯決議を重く受けとめ、常用代替の防止の理念を維持しつつ、均等待遇規定の導入、派遣先の団体交渉応諾義務の導入などにより派遣労働者の労働条件を向上させるため、労働者派遣法の速やかな見直しを行うよう求める。

2015年(平成27年)10月1日
日本弁護士連合会      
 会長 村 越   進 
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by kazu1206k | 2015-10-09 22:49 | 雇用 | Comments(0)

「残業代ゼロ法案」に反対、日弁連声明

 日本弁護士連合会は、4月6日、「労働時間規制を緩和する労働基準法等の一部を改正する法律案に反対する会長声明」を発表した。これは、「労働基準法等の一部を改正する法律案」の閣議決定に対して、「長時間労働の実効的な抑止策のないままに労働時間規制を緩和しようとすることに反対する」ものだ。
 この労働基準法改正案は、いわゆる「残業代ゼロ法案」。成立すれば16年4月1日に施行されるが、問題は「高度プロフェッショナル制度」の導入と「企画業務型裁量労働制」の拡大の2つ。これらは、経営者には莫大な利益をもたらすが、労働者には不利益、長時間労働による健康被害を引き起こしかねないと反対が強く、これまで廃案となってきた。
 日弁連会長声明は、「特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)」について、『事業主は時間外労働に対する割増賃金を支払う必要がなくなり、長時間労働に対する歯止めが一層かかりにくくなることや、対象業務の範囲や年収要件の詳細が省令に委ねられ、対象範囲が容易に拡大される恐れがあることなど、依然として重大な問題が残された』とし、さらに「企画業務型裁量労働制の対象業務拡大」について、『裁量労働制によれば、労働の量や期限は使用者によって決定されるため、命じられた労働が過大である場合、労働者は事実上長時間労働を強いられ、しかも労働時間に見合った賃金は請求し得ないという問題が生じる。よって、長時間労働が生じる恐れのある裁量労働制の範囲の拡大は慎重に検討されるべきである』としている。

労働時間規制を緩和する労働基準法等の一部を改正する法律案に反対する会長声明

本年4月3日、政府は、「労働基準法等の一部を改正する法律案」(以下「本法案」という。)を閣議決定した。

まず、本法案は、「特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)」を創設し、高度専門的知識を要する業務において、年収が平均給与額の3倍の額を相当程度上回る等の要件を満たす労働者については、労働基準法で定める労働時間並びに時間外、休日及び深夜の割増賃金等に関する規定を適用しないものとしている。この制度について、当連合会は、2014年11月21日付け「労働時間法制の規制緩和に反対する意見書」において、長時間労働の蔓延、過労死及び過労自殺が後を絶たない深刻な現状において、更なる長時間労働を助長しかねない危険性を有することから、これに反対する意見を述べたところである。本法案においても、事業主は時間外労働に対する割増賃金を支払う必要がなくなり、長時間労働に対する歯止めが一層かかりにくくなることや、対象業務の範囲や年収要件の詳細が省令に委ねられ、対象範囲が容易に拡大される恐れがあることなど、依然として重大な問題が残されたままである。

また、本法案は、企画業務型裁量労働制について、対象業務を拡大するとしている。当連合会が、2013年7月18日付け「『日本再興戦略』に基づく労働法制の規制緩和に反対する意見書」においても述べたとおり、裁量労働制によれば、労働の量や期限は使用者によって決定されるため、命じられた労働が過大である場合、労働者は事実上長時間労働を強いられ、しかも労働時間に見合った賃金は請求し得ないという問題が生じる。よって、長時間労働が生じる恐れのある裁量労働制の範囲の拡大は慎重に検討されるべきである。

なお、政府は、上記制度の創設や見直しと同時に、働き過ぎ防止のための法制度の整備を本法案の目的として掲げている。しかし、本法案には、労働時間の量的上限規制や休息時間(勤務間インターバル)規制のように、直接的に長時間労働を抑止するための実効的な法制度は定められていない。我が国では、一般労働者(フルタイム労働者)の年間総実労働時間が2013年時点で2000時間を超え(第103回厚生労働省労働政策審議会労働条件分科会資料及び厚生労働省「毎月勤労統計調査」から)、他の先進国と比較して異常に長く、労働者の生命や健康、ワークライフバランス保持、過労自殺及び過労死防止の観点から、長時間労働の抑止策は喫緊の課題であるが、これに対する実効的な制度が定められていないことは大きな問題である。

よって、当連合会は、本法案が、長時間労働の実効的な抑止策のないままに労働時間規制を緩和しようとすることに反対する。

2015年(平成27年)4月6日
 日本弁護士連合会      
 会長 村 越   進 
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by kazu1206k | 2015-04-12 07:52 | 雇用 | Comments(0)

地区障がい者就労支援セミナー

 「いわき市障がい者職親会」の主催による「第16回いわき地区障がい者就労支援セミナー」「ともにはたらく、ともにかがやく」が、3月2日、いわき市文化センターで開催されました。
 職親会は、障がい者を雇用する事業者、福祉施設、教育機関で組織しており会員数は56。公共職業安定所やいわき市、いわき市社会福祉協議会と連携しながら、いわき市における障がい者の雇用促進を進めています。
 セミナーは、毎年開催されています。午前10時の開会式にはじまり、午前中は、4人の方が永年勤続特別賞や勤続奨励賞を受賞し表彰を受けました。また、「私たちの声」と題して、3名の就労する障がい者が働くことや仕事に対する体験発表を行いました。事務補助の仕事しているNさんは、「障がいのある方への周りの理解、そして企業側もそれを理解して頂き、私たちの活躍する場が増えることを願って、私も微力ながら何かお手伝いできたらいいなと思っています」と話していました。
午後は、シンポジウム「発達障がいのある方の就労支援」や「発達障がい者の就労支援〜進む取り組み」と題して講演が行われました。
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by kazu1206k | 2013-03-02 17:57 | 雇用 | Comments(0)

佐藤かずよし


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