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カテゴリ:雇用( 24 )

6.10全国一斉労働相談ホットライン

日本弁護士連合会から、6月10日の「全国一斉労働相談ホットライン」のお知らせです。

就労形態の多様化と採用構造の変化により、非正規労働者は増加し続けています。また、2015年の労働者派遣法改正に伴い、派遣労働者の就労環境にも様々な変化が起こる可能性があり、注視が必要です。正規労働者の雇用環境についても、人員削減、退職強要、長時間労働、過大なノルマ、パワーハラスメントなどの問題があります。2014年に成立した過労死等防止対策推進法、2018年に成立した働き方改革関連法の観点からも、労働現場における長時間労働の抑止策の実施が求められます。

さらに、引き続き、いわゆる「ブラックバイト」、「ブラック企業」問題は注目されているところであり、そこで働く労働者の権利をいかに守るかについても喫緊の課題です。

そこで当連合会は、労働者を取り巻く様々な問題に対応するため、現在の労働環境における問題に対して適切な助言を行うことと、労働者の深刻な実態、不安、悩みを明らかにするためにホットラインを実施することといたしました。

全国の弁護士会において2019年6月10日(月)、全国統一ナビダイヤル【 0570-036-610 】(36(さぶろく)きょうていをまもるロウドウ) で実施いたします。

お気軽にお電話ください。

内容
全国一斉労働相談ホットライン(ナビダイヤル)
2019年6月10日(月)10:00~22:00
0570-036-610(36(さぶろく)きょうていをまもるロウドウ)

※通話料がかかります。PHSや050IP電話からはご利用いただけません。
 また、携帯電話事業各社の「無料通話サービス」、「かけ放題サービス」などの適用対象外となります。

※ナビダイヤルにおかけいただきますと、お近くの弁護士会につながります。なお、上記時間内は、話中時でも他の地域の弁護士会につながるように設定されています。

※回線混雑等の事情によりつながりにくい場合もございますので、あらかじめご了承ください。また、上記ナビダイヤルを始め、各地のホットライン専用電話番号は、実施日時以外はご利用になれませんので、ご注意ください。

※岡山は6月6日(木)、新潟は6月11日(火)、愛知は6月12日(水)、愛媛は6月13日(木)に実施します。また、群馬・愛媛・沖縄では、独自の電話番号(ナビダイヤルではありません。)を設けていますので、ご注意ください。実施時間は上記の「実施弁護士会一覧」をご確認ください。

お問い合わせ先
1 日本弁護士連合会人権部人権第一課 
TEL:03-3580-9501/ FAX:03-3580-2896
2 各地の実施内容につきましては、「実施弁護士会一覧」をご参照の上、各弁護士会にお問い合わせください。なお、同一覧は、実施弁護士会が決まる毎に更新します。

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by kazu1206k | 2019-06-03 22:38 | 雇用 | Comments(0)

福島第一原発過労死裁判、子供さんたちの意見陳述

 2017年10月に、福島第一原発構内で働いていた自動車整備士・猪狩忠昭さんが長時間労働で過労死した事件で、ご遺族が雇用元・元請け・東京電力の三社を相手取って提訴した、安全配慮義務違反等の損害賠償請求訴訟の第2回口頭弁論が、5月23日午後、福島地方裁判所いわき支部で開かれました。
 ご遺族である息子さんと娘さんのお二人が原告として意見陳述を行いました。
 今回も満席の傍聴席、多くの傍聴者が涙なしには聴けませんでした。
 ご了解を得て、原告の意見陳述をご紹介します。
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福島地方裁判所いわき支部
民事部御中
2019年5月23日
原告 ●●●●
陳 述 書

僕が学生時代の頃、父はとても厳しい人でした。
長男として、男として、人として、約束事や決め事が沢山ありました。出来ていなければ当然ながらよく怒鳴られていました。
その頃の僕は正直、厳しい父の事を好きではありませんでした。
休みの日にはたまに車のタイヤ交換や、オイル交換など、色々手伝いもさせられていました。
そんな日々の中、東日本大震災が起きました。幸い僕ら家族は無事でしたが、あの日は車の配送をしていた父と連絡が取れず、父は翌日の朝ようやく帰宅し、安心したのを覚えています。
グチャグチャになった自宅の掃除に追われ、水道が止まり、電気が止まり、食べるものが無くなり、
缶詰が食事だったその頃、原発で爆発が起こると叔母からの連絡に、母は僕と妹を車に乗せて、夜の暗い49号線、会津の祖母の実家へ、先に避難していた叔母達の後を追うように走りました。
途中、猪苗代のコンビニがオープンしていて、温かいおでんとおにぎりを食べました。
缶詰が食料だった時、あの温かいおでんがこの世のものとは思えない美味しさに、感謝した事を覚えています。しかし、父は仕事があるからとの理由で、一緒に来ませんでした。
母は、子供達を被曝させる事は出来ないと、いち早く行動した。その翌日の午前中、原発の爆発が報じられ、僕たちは被曝を避けられたのです。その間、いわきにのこして来た父や祖父が心配で、僕たちは毎日毎日、父に電話で早く避難してと訴えましたが、頑固な父が会津にきたのは、その1週間後くらいでした。
避難先から自宅に帰宅した際も、雨の中車の整備をしていました。僕は雨に当たるのが怖かったのに、父は気にしていなかったのか、それよりも車の整備が大事だったのかもしれません。

僕が美容師を目指す為東京に上京すると言った時、父は反対していたと母に聞きました。
きっと父は同じ道を共に歩んで行きたかったのでしょうか、でも僕は違う土俵で父と勝負したいと言う想いも心のどこかにあり、卒業後東京に向かいました。
専門学校の頃はよく家に帰っていましたが、仕事が始まるにつれ、父と向き合う時間も少なくなり、久しぶりに会った時は、どこかよそよそしかったり、でも話してみるとそんなことなかったり、
そしてその頃はいつも以上にとても穏やかな表情の父でした。
何度か父の髪を切ってあげる事が出来ました。口下手な父は僕の前では普通でしたが、職場の仲間へ、「息子に髪を切ってもらったんだ。」と喜んでいた事を後で聞きました。
近いとうるさいが、遠くなると寂しいのが家族なんだなとその時は思いました。
2017年のゴールデンウィークには、母と妹がいる茨城に車を置いて、珍しく電車を乗り換え、一人で僕のアパートまで来ました。その日初めて親父とサシでお酒を交わしました。その時は僕の方が少し緊張していたかもしれません。最近は飲み口が軽いものをとレモンサワーを片手に僕の仕事の話を聞いてくれました。親父は応援してくれていました。親父は仕事どうなの?と質問しましたが、僕の事ばかりで、話してはくれませんでした。
今思えば、話さなかったのか、話せなかったのか、僕にはわかりません。
そこに写る親父の姿は昔とは違って、人生の先輩、そんな印象でした。
仕事に就くようになってから、僕ら二人の関係性は少し折り目がついたんだと思います。
その年の秋に、カットコンテストに出場しました。毎年それぞれの種目で参加して来ましたが、なかなか成果が出せずにいましたが、その年のカット部門で、初めて入賞する事が出来、翌日家族ラインで入賞した写真を送り皆に報告する事が出来、家族が喜んでくれましたが、父からの返信は「稼げるカッコいい男を目指して頑張れ!!」今までらしくない、変に真面目な返信が帰って来て、僕も何気なく返しました。
その18時間後、父は他界しました。この言葉が親父からの最後のメッセージでした。
やっと形に残す成果を見せる事が出来たのに、やっと反対されていた道で喜ばせてあげる事が出来たのに、母から電話で、「●●、いい?落ち着いて聞いて!お父さんが亡くなった。」丁度休憩時間に入り、昼食を買いに外に出ていた僕は母からの電話をタイミングよく取ることが出来た。どうしたの?と普通に取った電話のさきの母の声は、いつもと違かった。僕は昼食を買う気力がなくなり、そのままお店へ戻り、涙をこらえて仕事を続けた。あの時どうやって仕事が出来たのか、今でも思い出せません。
10月の半ばに友人と北海道旅行に行った時、父がこずかいを振り込んでくれたので、お礼にカニと帆立とホッケを実家に送りました。父は会社の方に「今日は息子からの土産で米炊いて食べるんだ!」と喜んで言っていたそうです。送り状も捨てずに取ってありました。そして冷凍庫にはまだ食べていないホッケが残されていました。やっと親孝行らしき事が出来た矢先でした。
お通夜には、会場に入りきれないほどの、父の友人、以前の職場の仲間が来てくれました。父の車関係の友人から「息子が車に興味がないんだ、って寂しそうに言ってたぞ」と初めて聞きました。
学生時代の父の友人達は、告別式までの4日間、毎日自宅の父の亡骸に逢いに来てくれました。
皆声を上げて泣いていました。そして僕にしっかりな!と大きなその手で背中をポンと叩いてくれた事を忘れません。沢山の仲間たち、親族に愛され、見送られる親父を見て、その背中に教わる事がまだきっと沢山あったのだろうと思います。
突然親父が亡くなって早1年半が立つ今日までと明日から起きる出来事の中で親父ならどうするかな?と自問自答しながら過ごしています。
もっと話したかった、もっと酒を酌み交わしたかった。もっと親孝行したかった。
頑固な父は仕事にも頑固で、頑張り過ぎたと思います。でも、原発と言う特殊な環境の元で、
特殊車両の整備に携わっていた父は自分の仕事に誇りを持っていたに違いないと、
だからこそ、父が亡くなってからのあまりにも酷い対応に、許せない気持ちでいっぱいです。
僕の親父の代わりは誰もいない、かけがえのないたった一人の父親です。
なぜ死ななければならなかったのか、息子として、真実を知る権利があると思います。
子や孫に、こんなおじいちゃんがいた事を語り継いで行くために。
そして故郷福島で、原発収束作業に携わる多くの作業員の命を守れる裁判にして下さい。

最後になりますが、裁判を始めるに当たり、意見陳述の場を与えて下さった裁判所に対して
感謝申し上げます。

以上
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福島地方裁判所いわき支部
民事部御中
2019年5月23日
原告 ●●●●●
陳 述 書

父は口下手であまり褒めない人でしたが、私は父のことが大好きでした。

母は東日本大震災の後から仕事の関係で茨城県にアパートを借りながら福島県と茨城県を行ったり来たりしている状況で、高校生活はほとんど父と二人で暮らしていました。
初めは、食事も掃除も洗濯も、分担制がなく二人であたふたやっているような状態でしたが、
私が高校2年生の冬あたりから、平日の食事は私で、休日は父と言う感じで分担して行うようになり、毎日楽しく過ごしていました。
私は高校のお弁当もなるべく作るようにしていたので、一緒に父の分も作るようになり、
父は必ず卵焼きを入れてね、と言って、とても喜んでくれました。
しかし2013年の高校2年生の頃から、週に一度や二度、明日は早いからと言われ、その頃はお仕事が大変そうだなと感じていましたが、3年生の頃からは、平日はほぼ毎日午前3時15分に目覚ましをつけて準備をし、4時には仕事に行くようになり、朝は私が起きる頃には父はいない状況が毎日続いていました。

私は高校で部活をしていたので、朝は時々送ってもらっていたのですが、毎日4時に出勤するようになってからは、朝の送りもなくなり、帰りは18時30分頃に部活が終わる為、最初の頃はその時間にお迎えに来てくれていたのですが、早朝出勤になってからは、帰りも遅くなり、18時30分に終わる部活の迎えに間に合わず、近くのスーパーで1時間時間を潰して待っていたことや、友達の親に送ってもらう事が増え、父をとても心配していたのを覚えています。ですが、父はあまり仕事の話をしない人だったので、私も何も言わずにそっと見ていただけでした。

部活から一緒に帰宅すると、平日は私が食事担当なので、準備し、父はテレビを見ながらソファですぐに寝てしまい食事ができる頃起こして一緒に食べました。食事の時間が唯一のコミニケーションの場であり、時には学校での出来事を相談したりもしていました。
食事が終わるとまたソファでいびきをかきながらすぐに寝てしまい、私はよく、「そんな所で寝ると風邪ひくよ?」と言っていたのですが、何度言っても父は「朝が早いからここじゃないと起きれないんだ」と毎日寝室のベットではなく、リビングのソファで寝るようになりました。今思うと、仕事のことは何も語らない父でしたが、体は毎日限界で相当しんどかったのだと、思います。

私達家族はとても仲が良かったので、父が連休の時や兄の休みが被った時は家族みんなで集まり、食事に行ったりお出かけをしたりと、家族の時間も大切にしてきました。
10月6日父が亡くなる20日前もいつものように家族揃って食事をしました。その時は、父が亡くなるなんてほんの少しも思いませんでしたから、いつも通りの見送りをして、次の連休にね、と手を振ったのが、父の姿を見た最後でした。
父が亡くなった日、授業中の私に初めて母から電話がかかってきたので、何かあったのだと思いラインを打とうとしたら、父が心肺停止と言うラインが来ました。その時頭が真っ白になり急に動悸が始まりパニックの状態でした。しかしその時はまだ父が亡くなっていると言う理解までは出来ず、心の何処かで今頃は蘇生されて息を吹き返しているだろうと思っていました。急遽家に戻り、後から帰って来た母に、亡くなったのだと言う事実を聞いて、私は崩れ落ちました。
この間まであんなに元気だった父が信じられないと、何度も何度も嘘だと思い続けました。ですが、夕方父が運ばれた病院に到着し、父の苦しそうな顔を見たとき初めてこれが現実なんだと胸が突き刺される思いでした。今でもあの時の状況を思い出すだけで、涙が止まりません。そして、この苦しみは一生消えません。

父が亡くなってから、父の友人や仕事先の方から沢山父について話しを伺い、家族でも初めて知る父の姿ばかり聞く機会が沢山ありました。父は口下手で、直接褒められた事は数えきれるくらいしかなかったのですが、仕事先の方に陰で家族を褒めていたり、困っている人を助けたりと、本当に人間の鏡のような父であると改めて気づかされました。
そんな仕事熱心で、思いやりのある父がなぜ突然死ななければならなかったのでしょうか?
父がなくなって1年7ヶ月、私は幼少期の頃からの夢だった看護師になりました。父もずっと応援してくれていました。看護師になったら、沢山親孝行をしていこうと決めていました。
それなのに、直接報告する事も出来ず、これから先、父との思い出も作れずにお別れになってしまった事を悔やんでも悔やんでも悔やみ切れません。ナース服を着た姿を見せたかった。結婚式のバージンロードを手を引いてもらい歩きたかった。孫を抱いてもらいたかった。1ヶ月後の前撮りの成人式の晴れ姿さえ、見せてあげる事が出来なかった。もっともっと思い出を作れるはずだったのに…
蘇生も十分に行ってもらえず、過労死と言う形で命を落とした父の死を無駄にしたくありません。そして、こんなに悲しい思いをする家族がこれ以上出て欲しくありません。

どうか、今現在も、父と同じような大変なお仕事をされている多くの方々を、過労死や事故死から守ってください。そして大好きな父がなぜ死ななければならなかったのか?未だに解明されていない真実を
裁判で明らかにして下さい。

最後になりますが、裁判を始めるに当り、意見陳述の場を与えて下さった裁判所に対して感謝申し上げます。
以 上 
by kazu1206k | 2019-05-27 23:52 | 雇用 | Comments(0)

最低賃金額の大幅な引上げを!日弁連の声明

 日本弁護士連合会は、4月25日付けで「最低賃金額の大幅な引上げを求める会長声明」を公表しました。
 「日本の貧困と格差の拡大は深刻な事態となっている。日本の2015年相対的貧困率は15.6%と発表されており、3年前の16.1%と大差なく、依然として高い水準である。女性や若者に限らず、全世代で貧困が深刻化している状況である。働いているにもかかわらず貧困状態にある者の多数は、最低賃金付近での労働を余儀なくされており、最低賃金の低さが貧困状態からの脱出を阻止する大きな要因となっている。最低賃金の迅速かつ大幅な引上げが必要である。」と求めました。

最低賃金額の大幅な引上げを求める会長声明

厚生労働大臣は、本年6月頃、中央最低賃金審議会に対し、2019年度地域別最低賃金額改定の目安についての諮問を行い、同審議会から、本年7月頃、答申が行われる見込みである。昨年、同審議会は、全国加重平均26円の引上げ(全国加重平均874円)を答申し、これに基づき各地の地域別最低賃金審議会において地域別最低賃金額が決定された。

しかし、時給874円という水準は、1日8時間、週40時間働いたとしても、月収約15万2000円、年収約182万円にしかならない。この金額では労働者が賃金だけで自らの生活を維持していくことは到底困難である。仮に時給1000円であったとしても、年収ではいわゆるワーキングプアと呼ばれる水準である200万円をわずかに超える程度にしかならない。

また、日本の最低賃金は先進諸外国の最低賃金と比較しても著しく低い。フランス、イギリス、ドイツの最低賃金は、日本円に換算するといずれも1100円を超えており、アメリカでも、ワシントン州やカリフォルニア州の一部の市などが15ドルへの引上げを決定したのを始め、全米各地の自治体で最低賃金大幅引上げが相次いでいる。国際的に見て日本の最低賃金の低さは際立っているといえる。

日本の貧困と格差の拡大は深刻な事態となっている。日本の2015年相対的貧困率は15.6%と発表されており、3年前の16.1%と大差なく、依然として高い水準である。女性や若者に限らず、全世代で貧困が深刻化している状況である。働いているにもかかわらず貧困状態にある者の多数は、最低賃金付近での労働を余儀なくされており、最低賃金の低さが貧困状態からの脱出を阻止する大きな要因となっている。最低賃金の迅速かつ大幅な引上げが必要である。

最低賃金の地域間格差が依然として大きく、ますます拡大していることも見過ごすことのできない重大な問題である。2018年の最低賃金は、最も高い東京都で985円であるのに対し、最も低い鹿児島県は761円であり、224円もの開きがあった。地方では賃金が高い都市部での就労を求めて若者が地元を離れてしまう傾向が強く、労働力不足が深刻化している。地域経済の活性化のために、最低賃金の地域間格差の縮小が急務である。

なお、最低賃金の大幅な引上げは、特に地方における中小企業の経営に影響を与えることが予想される。最低賃金の引上げが困難な中小企業のための、社会保険料の減免や減税、補助金支給等の中小企業支援措置が不可欠であり、そのような措置の検討を進めるべきである。また、中小企業の生産性を向上させるための施策が有機的に組み合わされることも必要である。さらに、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律や下請代金支払遅延等防止法をこれまで以上に積極的に運用し、中小企業とその取引先企業との間で公正な取引が確保されるようにする必要もある。

当連合会は、2011年6月16日付け「最低賃金制度の運用に関する意見書」等を公表し、以後、毎年、最低賃金額の大幅な引上げを求める会長声明を発してきた。政府は、2010年6月18日に閣議決定された「新成長戦略」において、2020年までに全国加重平均1000円にするという目標を定めている。これ自体低いと言わざるを得ないが、この政府目標ですら達成困難な状況である。中央最低賃金審議会は、本年度、全国全ての地域において、最低賃金の大幅な引上げを答申すべきである。

上記答申がなされた後に各地の実情に応じた審議が予定されている各地の地方最低賃金審議会においても、以上のような状況を踏まえ、最低賃金額の大幅な引上げを図り、地域経済の健全な発展を促すとともに、労働者の健康で文化的な生活を確保すべきである。
                                  
2019年(平成31年)4月25日
                        日本弁護士連合会
                         会長 菊地 裕太郎
by kazu1206k | 2019-04-28 23:24 | 雇用 | Comments(0)

福島第一原発過労死裁判、遺族の訴え

 2017年10月に、福島第一原発構内で働いていた自動車整備士・猪狩忠昭さんが長時間労働で過労死した事件で、ご遺族は雇用元・元請け・東京電力の三社を相手取って、安全配慮義務違反等の損害賠償請求訴訟を、2019年2月13日、福島地方裁判所いわき支部に提起しました。
 3月25日午後、同支部で第1回口頭弁論が開かれ、ご遺族が原告として意見陳述を行いました。
 ご了解を得て、原告の意見陳述をご紹介します。
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福島地方裁判所いわき支部
民事部御中
2019年3月25日
                  原告
陳述書

昨年10月16日、夫の命日10日前に、労災認定の連絡を受けました。
夫が亡くなってからの一年間、沢山の方々のご協力により、数々の聞き取りと調査などの結果、長時間労働が認められました。
しかし、私共の調査聞き取りから、亡くなった当日の状況に、隠蔽の疑惑があります。
当時、宇徳の関係者及び同僚整備士より、当日の時系列での状況を聞いていた内容と、医師らのカルテの内容の相違や、警察の事情聴取に、現場にいて関わった人全員がなぜ受けなかったのかなど、まだまだ多くの不信があります。
夫の死亡原因が長時間労働だけではない事を明らかににする為、
人命よりも利益を優先する企業に対して、真実の追求と夫の名誉の為、今回提訴に至りました。
死亡当日の事実、隠蔽を裁判を通して明らかにして下さい。
当日夫に携わった方全員の証言を求めます。
また、労災認定を受けても尚、企業側は当初からの「認識が違う、コメントする立場にない」などと、一貫して不誠実な対応を変えません。非人道的な発言、対応を許せません。

夫の遺品の携帯に残された写真から、私達家族が知り得なかった、日々の作業の大変さや、証拠と成りうる資料などが、沢山ありました。
しかし、あらゆる証拠を携帯に残して亡くなった夫は、本当は家族に話したかった事や、不測の事態を覚悟していたのではないか?何かあれば頼むぞ、と言っている様に感じてなりません。
夫が亡くなってから、整備士、作業員同士の絆や、他社からの引き抜きの話を断っていたなどを耳にし、夫は原発事故収束作業に携わる事に誇りを持って、惜しげも無く技術を提供し働いていた事が想像出来ました。
今現在も4000人以上の作業員の方が、被ばくと言うリスクを背負って作業に従事しております。命を削って働いています。彼らがいなければ、収束はあり得ません。
原発作業員の労働環境、賃金の改善、危険手当の完全支給、救急医療措置、放射線被ばく管理、安全確保、健康管理、生活保障、雇用条件の是正
これまで尊い命を落とされた方々の再調査を要求します。

東京電力の記者会見での「作業との因果関係はない、労災といったものではない」との断言に対しての撤回と謝罪、
死亡時の説明、救命措置の落ち度、事実内容の露呈を要求します。
何をしても夫はこの世に戻っては来ませんが、
夫の代わりに、真実を追求し無念を晴らす事が、何よりの供養になると思います。

うつくしま福島を原発事故で汚染し、故郷をなくした人々や、収束作業に携わる方々に
誠意と敬意を持って対応して下さい。
二度と過労死、事故死を起こさせないで下さい。
原発事故と言う前例のない東電が起こした事故により、働き命を亡くした方への責任の所在をはっきりさせ、尊い命の重さに対する誠意ある対応を望みます。

最後になりますが、裁判を始めるに当たり、意見陳述の場を与えて下さった裁判所に対して
感謝申し上げます。

以上
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 いわき労働基準監督署は、昨年10月17日に本件について労災認定しましたが、東京電力は猪狩さんの死亡を発表した際、作業との因果関係はないと明言。福島第一原発の作業で過労死が認められたのは、事故直後の2011年5月に過酷労働で亡くなった静岡県の作業員のケース以来です。
 猪狩さんは、亡くなる5年前の2012年3月にいわき市内の自動車整備・レンタル企業に入社した時から、車両整備にあたってきました。亡くなった当日、昼休みの後、午後の作業に行く時に倒れ、午後2時半過ぎに広野町の高野病院で死亡を確認、死因は致死性不整脈と診断されましたが、構内で倒れたときの詳しい状況は、わかっていません。
 猪狩さんは、2017年4月以降、月曜から金曜、朝4時半に出勤し一般道を自動車で福島第一原発に移動、事務所に戻るのが夕方5時から6時という生活が続きました。遺族らは、亡くなる直前の3か月間の平均残業時間は約105時間。亡くなる半年前からの1か月あたりの残業時間は最大で130時間超、平均で110時間に達していたとして18年3月にいわき労基署に労災申請していました。
 東京電力は、2014年6月に、構内に車両整備場を設置。猪狩さんは、車両整備場の設置と同時に派遣され、元請けは当初は東電リース、2016年から宇徳になっています。2015年5月、東京電力は、2015年度車両整備場で整備士5人/日の体制で実施可能台数合計488台を整備する計画でしたが、「全ての構内専用車両(普通車:541台,大型車:250台合計791台)を整備するには、プラス3~5人/日が必要」とし「今後、構内で車両整備する整備士の確保が課題となってくる」としていました。
 その後、4名体制(工場長+整備士3名)となり、整備士の数は減ってしまい、作業はさらに厳しくなる一方で、2017年1月に東京電力は、構内専用の全車両を、それまでの12か月点検に加えて24か月点検を実施し、2018年9月までに小型620台、大型189台の計809台全車両の点検を完了するという目標を発表。2017年5月には、車両整備場の稼働日数が1日増えて週5日になり、整備士の数が減ったまま、作業量を増やしてきたのが実態です。
 福島第一原発の車両整備は、車両の放射能汚染が激しいため、作業は全面マスク、防護服の上にカバーオールを着て行い、通常の整備作業をはるかに超える大きな負担になっていました。こうした厳しい作業環境が体調にどのような影響を及ぼしたのか、長時間労働が身体に大きなストレスを与えたことが推察されます。

 東京電力は、過労死遺族に対し誠意ある対応を求める市民団体との交渉で「作業員と直接雇用関係はない」と、頑なに発注者責任から逃げています。 原発作業員の労働環境、処遇改善の働きかけについて、いわゆる危険手当の完全支給、賃金の改善はじめ救急医療、放射線被ばく管理など、労働環境改善に向けた働きかけを強める必要があります。多くのいわき市民が福島第一原発の構内作業に従事しています。私たちは、東京電力に対し労働環境の改善を強く求めていきます。

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by kazu1206k | 2019-03-26 23:23 | 雇用 | Comments(0)

厚生労働省の統計法違反、経済統計学会の声明

 厚生労働省による毎月勤労統計の不正調査について、経済統計学会(会長・金子治平神戸大院教授)は、「真実性という存立基盤を覆すもの」「政治権力から独立でなければならないという近代統計の原点に立ち返ることを願う」とする声明文を、総務省の統計委員会に提出しました。
 声明文では、「公的統計が機能を果たせなかったことが、わが国を無謀な戦争へと駆り立てた」と指摘した上で、毎月勤労統計の不正について「国のあり方そのものを根底から揺るがしかねない」と批判し、また、2000年代初頭に国が統計予算や担当職員を削減したことが不正の一因となったと指摘しています。

厚生労働省の統計法違反をめぐる経済統計学会からの声明
2019 年 2 月 21 日
統計委員会
委員長 西村淸彦殿
                 経済統計学会会長
                   金子治平

 経済統計学会を代表し,厚生労働省の統計不正問題について声明する。

 日本が近代国家としての歩みを開始して以来,一貫して公的統計は,その時々の実態を反映する鏡,将来を指し示す道標として位置づけられ,それはいかなる権力からも自立した存在であるべきとされてきた。戦時期に公的統計がその機能を果たしえなかったことが,わが国を無謀な戦争へと駆り立てたことへの痛切な反省から,戦後の統計再建にあたり基本法規として制定された統計法(昭和 22 年法律第 18 号)は,「統計の真実性」の確保を最優先の目的として規定し,そ のような法制度の下にわが国の統計行政は遂行されてきた。さらに改正統計法(平成 19 年法律第 53 号)は公的統計を国民共通の情報資産と謳い,それを行政のみならず広く社会の営みの基盤をなす情報と規定している。近年,EBPMとして公正かつ透明な政策立案が強く求められる中,現実の客観的な把握並びに正確な将来の見通しの提供という統計の社会的使命は,一層重要性を増している。

 本学会は,その設立以来,内外の統計法および統計制度の研究も含め,公的統計の作成と利用
に関して,現実の認識資料としていかにすれば公的統計が公正性を担保しうるか,そして公的統
計がいかにしてその社会的使命を果たしうるかを主要な研究領域として学術面から取り組みを行
ってきた。本学会のこれまでの取り組みに鑑みれば,今回の労働統計を中心とする統計不正は,
単なる調査技術上の問題にとどまるような性格のものではない。それは,統計の真実性の確保と
いう,統計再建にあたって掲げた所期の目的を達成すべく設計された法制度の仕組みそれ自体の
存立基盤を覆すものであり,わが国の公的統計,ひいては日本という国の有り方そのものを根底
から揺るがしかねない問題に他ならない。

 いうまでもなく公的統計は,調査の企画・実施者のみによって成るものではなく,その質の確保には,地方職員あるいは実査を担当する調査員の日々のたゆまざる奮闘,そして何よりも被調査者である国民の調査協力が不可欠である。1970年代に表面化し,次第に深刻さを増す調査環境の中で公的統計がその品質を維持できているのも,統計法に基づいた統計行政に対する国民の信頼を抜きには語りえない。

 このような統計行政の制度的基盤を認識してさえいれば,今回のような不測の事態はそもそも 起こりえないものである。にもかかわらず,このような事案が発生したことは,困難な調査環境の中,統計作成の第一線で日々尽力している統計関係者,そして何よりも,これまで調査に協力してきた国民に対する冒涜以外の何物でもない。このような事態によって,わが国の統計行政, ひいては政府そのものに対する国民の不信という形で調査環境の悪化にさらに拍車がかかること が危惧される。また,今回の不祥事が,統計行政そのものの在り方を根底から揺るがす深刻な問題であることから,その対応を誤ればわが国の公的統計に将来はない。それは同時に,日本の統計に対する国際社会からの信用の喪失をも意味する。

 関係各機関に対しては,政治権力から独立でなければならないという近代統計の原点に立ち返
り,また統計の真実性の確保という戦後の統計法の精神に思いを致し,公的統計の社会的使命を
改めて確認するよう願う次第である。同時に,公的統計の品質保証のフレームワークに則り統計
作成業務を遂行することを要望する。

 今回の統計不正が,2000年代初頭のいわゆる「三位一体改革」以来の統計職員並びに統計予算の削減をその一因としていることは想像に難くない。また,調査の企画・実施者内の制度的な意思疎通の齟齬も影響しているのではないかと考える。これらの問題を含めて,文字通りの第三者 の立場が確保された組織による,徹底した原因究明が行われることを求める次第である。同時に, 統計委員会,制度官庁を中心に,今後二度とこのような事案が起きることがないように,統計行 政の透明性の向上に一層尽力され,わが国の公的統計の信頼回復に向けた真摯な取り組みが政府 全体としてなされることを強く要請したい。

以上
by kazu1206k | 2019-03-08 23:42 | 雇用 | Comments(0)

いわき市障がい者職親会との視察懇談

 1月31日午前、いわき市障がい者職親会の主催による「平成30年度 いわき市議会といわき市障がい者職親会との視察懇談会」に出席しました。「障がい者の就労現場の視察と懇談会を通じ、市議会議員と職親会の交流を深め、今後の障がい者就労の発展の一助とすることを目的」に毎年開催されています。
 12回目の今回の視察先は、まず、食品容器や包装資材の供給サービスを行う株式会社小名浜包装資材さん。精神障がい者を1名雇用しています。小沼代表取締役と大島所長、当事者のMさんのお話を聴きしました。20代のMさんは、物流関係の仕事、商品管理部門ー倉庫管理・配達・荷受などを担当。高卒で企業就職3年後通院、就労支援、つばさ作業所をへて昨年2月入社で、お客様の商品の出荷作業、ルートドライバーの検品管理をしています。就労時間は、午前7時〜午後5時。実働8時間フルタイム。時給制。
 Mさんは、「就職する時は、人間関係がうまくいくか不安だった。職場の雰囲気は良い。趣味の草野球をする時間増やせたらいい」と話してくれました。
 次に、ヤングカジュアルを中心としたレディースファッションメーカーの株式会社ハニーズホールディングスと障がい者雇用のための特例子会社である株式会社ハニーズハートフルサポートの鹿島物流センターと本社を訪問。海外生産によるミャンマー等の物流センターから輸入した製品が直接870店舗に供給されるシステム。オンラインショップ、発送作業。シーズン持越し商品の管理。それぞれの現場の状況と障がい者のみなさんが多数働く現状を見学させていただきました。
 その後、昼食をとりながら、意見交換。支援学校の進路指導担当教諭からは、「福祉サービス事業所の空きがない。就労支援B型・生活介護事業所の不足、事業所の拡大で進路のマッチングができるようになれば」との声。他の教諭からは「交通が不便。就職先に行けない。通勤の保護者の協力でやっているが、公共交通機関の整備も必要」という意見。いわき地区障がい者福祉連絡協議会の代表は、「福祉事業について、いわき市が主導して不足地区への事業者誘導の呼びかけをしては」という意見も出され、職親会の石山会長は「市役所の担当者がコロコロ変わる。市民のことを考えて専門性の維持が必要と要望しているがなかなか変わらない」と話しました。

*「いわき市障がい者職親会」は、いわき市内の障がい者の就労にかかわる事業者、福祉施設、教育機関で組織され、公共職業安定所やいわき市、いわき市社会福祉協議会と連携しながら、いわき市における障がい者の雇用促進を進めています。毎月の学習会、毎年3月には「いわき地区障がい者就労支援セミナー」も開催するなど、精力的に活動しております。

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by kazu1206k | 2019-01-31 23:06 | 雇用 | Comments(0)

入管法等の改正法案で意見書、日弁連

 日本弁護士連合会は、「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案に対する意見書」を11月13日付けで法務大臣及び衆参両院議長宛てに提出しました。以下に、紹介します。

 出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案に対する意見書
                                                 2018年(平成30年)11月13日 日本弁護士連合会

 政府は,本年6月15日,「経済財政運営と改革の基本方針2018」(以下「骨太の方針」という。)を閣議決定し,深刻な人手不足を背景に,「真に必要な分野に着目し,・・・外国人材の受入れを拡大するため,新たな在留資格を創設する」ほか, 「外国人が円滑に共生できるような社会の実現に向けて取り組む」こととした。これを受けて,11月2日,新たな在留資格として「特定技能1号」と「特定技能2号」を創設すること,新たに「出入国在留管理庁」を創設すること等を内容とする 出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案(以下「改正法案」という。)が閣議決定され,第197回国会に上程された。
 改正法案は,外国人労働者の受入れが目的であることを正面から認め,制度構築を行っているものであり,その方向性は正しいと考える。しかし,改正法案については以下の問題点があるので,当連合会は,次のとおり意見を述べる。

 第1 技能実習制度との関係
 技能実習制度は,名目上は日本の技術を国際的に移転させる国際貢献のための制度であるとされているものの,実態は非熟練労働者の受入れのための制度とな っており,技能実習という目的のために,原則として職場移転の自由が認められず,不当な処遇や権利侵害を受けた労働者であっても帰国を避けるためにはこれ を受忍するほかないという構造的問題を抱えている。このような技能実習制度は直ちに廃止した上で,非熟練労働者の受入れを前提とした在留資格を創設し,外国人を受け入れることについて,その是非,その範囲などを,外国人の人権にも配慮した上で,国会などの場で十分に検討するべきである。改正法案は,非熟練労働者を含む外国人労働者の新たな受入れ制度を創設するものであり,なおさら 技能実習制度は直ちに廃止されるべきである(その際,既に現実に在留している技能実習生が不利益を被らないような措置を採るべきである。)。いわんや新たな在留資格の対象職種に合わせて,技能実習制度の対象職種を拡大するような運用はすべきでない。

 第2 職場移転の自由の保障
 前述のとおり技能実習制度では,原則として職場移転の自由が認められていない。
この点,改正法案では,入国・在留を認めた分野の中での転職を認めることとされており,一定の評価に値する。ただし,職場移転の自由を実質的に確保し, 保障するためには,ハローワーク等が特定技能所属機関(以下「受入れ機関」と いう。)としての条件を満たす同一分野の事業者のリストを公開し,転職相談を受けるなど,公的機関による転職支援を行うことが重要である。このことは,国内における悪質な紹介業者を排除するためにも必要である。

 第3 送出し国におけるブローカーの排除
 技能実習制度では,技能実習生がブローカーに多額の渡航前費用や保証金,違約金等を支払わされることなどが横行していた。外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(以下「技能実習法」という。)により一定の対応がなされたが,いまだ後を絶たない。このような問題を起こさないためにも,外国人労働者の募集と送出しを日本の出先機関(例えば,新たな独立行政法人等)又は送出し国の公的機関に担わせるべきである。公的機関による斡旋が困難な場合には,日本と送出し国の二国間協定により,高額の手数料や保証金を取ったり違約金を定めたりする民間仲介業者を排除するよう合意するべきであり, 排除が不十分であるときは当該国からの受入れの停止も可能とすることを検討すべきである。

 第4 受け入れた外国人に対する適切な支援
 新たな在留資格制度は,受入れ企業から費用を受領する登録支援機関が,外国人材の適切な支援を行うこととしているが,同機関は登録制であり,一定の欠格事由や一定の体制の不備等の登録拒否事由がない限り登録が可能となっている。 ところで,技能実習制度においては,「技能実習生の保護について重要な役割を 果たすもの」(技能実習法5条2項)とされている監理団体が実習実施機関を監督・指導することとなっている。しかし,監理団体は,実習実施機関から費用を受領して運営されているという構造的な問題もあって適切な監督・指導等を行えず,むしろ監理団体が技能実習生に対する人権侵害を放置する例もあった。この点も技能実習法により一定の対応がなされたが,いまだ後を絶たない。新たな在留資格制度における登録支援機関についても,同様な問題が生じないよう,その担い手は公的機関や適切な人的物的資源を持つNGO等となるような制度として,その厳格な運用を行うべきである。
 支援の内容についても,「一号特定技能外国人支援計画」(改正法案2条の5第6項)において,日本語教育や社会生活上の教育などについて基準を設けるべきである。
 支援の内容は,「職業生活上の支援」を含むものとされるが,職場における処遇に関する相談や紛争処理を,受入れ機関が自ら行うことや,受入れ機関から費用を受領して受託する登録支援機関が行うことは不適切であり,これらの支援は, 多言語による法律相談を,国,自治体等から委託を受けるなどして,弁護士会・ 弁護士が行ったり,労働基準監督署などが行ったりすることが必要である。
 このように,あらゆる支援を受入れ機関や登録支援機関に委ね丸投げするのではなく,国や自治体,NGO,弁護士会,法テラス等が連携して,支援の内容に応じて適切な仕組みを構築するべきである。

 第5 家族の帯同
 自由権規約23条,児童の権利条約9条は家族が共に暮らす権利を保障している。また,ILO条約143号(未批准)13条は,移民労働者の家族の同居の促進を定めている。さらに,ヨーロッパでは,欧州人権条約8条は家族生活の尊重を規定している。アメリカの非熟練労働者受入れ制度(H-2A・H-2Bビザ)は家族の帯同を認めている。これに対して,政府は,技能実習修了者が特定技能 1 号で就労する場合,最長で10年という長期にわたり日本に滞在・就労することになるにもかかわらず,家族の帯同を認めないとしている。このような長期間の家族帯同禁止は,上記の国際条約の趣旨に沿わないものである。家族の帯同を認めないという方針は,家族と共に暮らすという人間の自然な在り方に反するものであり,看過できない。
 よって,特定技能1号の場合でも,少なくとも一定期間以上滞在した者などについては,家族の帯同を認めるべきである。

 第6 在留基準の透明性・客観性
 改正法案では,受入れの基準は,法務大臣がその案を作成して閣議決定した「基本方針」と,法務大臣が,所管する関係行政機関の長,国家公安委員会その他の大臣と共同して制定した「分野別運用方針」によって定められることとなっているが,特定技能1号の「相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務」,特定技能2号の「熟練した技能を要する業務」の認定などの具体的基準は示されていない。
 このような状況では,行政庁による恣意的な運用がなされるおそれがあるので, 客観性・透明性のある基準を設けるべきである。

 第7 雇用形態
 改正法案に先立って政府が発表した政府基本方針(骨子案)は,雇用形態に関して,原則として直接雇用であることとしながら,分野の特性に応じて派遣形態も可能としている。しかし,派遣労働は低賃金・不安定雇用を固定化するものであり,専門職以外にはこれを認めるべきではない(当連合会の2010年(平成 22年)2月19日付け「労働者派遣法の今国会での抜本的改正を求める意見書」 など)。専門職とはいえない,特定技能の在留資格の労働者についても,派遣形態は認めるべきではない。

 第8 共生のための施策の位置付け
 外国人労働者を正面から受け入れることとなる今こそ,外国にルーツを持つ人々の権利を守り,差別を解消して社会での共生を実現する共生政策は国の責務である。骨太の方針においても,「法務省が総合調整機能を持って・・・関係省庁, 地方自治体等との連携を強化する。・・・外国人の受入れ環境の整備を通じ,・・・ 外国人が円滑に共生できるような社会の実現に向けて取り組んでいく」としていた。しかし,改正法案においては,外国にルーツを持つ人々と共生できる社会の 実現という点は触れられていない。法律において共生政策の実施を国の責務とし て明確に位置付け,財政的な手当てをすることが必要である。
 このような国や自治体の体制を整備するためには,共生政策のための基本法(仮称「多文化共生法」)を制定することが喫緊の課題となる。
 また,新たに設置する庁の任務として共生政策の実施,総合調整機能を明記するべきである。

 第9 国際人権基準に適合した出入国在留管理行政の実現
 骨太の方針を受けて本年7月24日に外国人の受入れ・共生に関する関係閣僚会議に提示された「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(検討の方向性)」では,「不法滞在者等への対策強化」などの新たな在留管理体制の構築が検討されている。これに対して,出入国に関係する退去強制手続について,人権上の要請に基づく改正は予定されていない。しかし,出入国管理における身体拘束制度は,収容の必要性や相当性に関する要件や期限を設けないものとなっており, 国際的な基準に適合しているとは言えない(当連合会の2014年(平成26年) 9月18日付け「出入国管理における身体拘束制度の改善のための意見書」)。現 に,東日本入国管理センターでは,1年以上の被収容者が7割以上を占め,3年 以上収容されている者も10名以上いる(2018年7月31日現在1)。また, 在留特別許可の基準も,国際人権法上の要請を満たすことを明示していない(当 連合会の2010年(平成22年)11月17日付け「在留特別許可のあり方へ の提言」)。
 本改正案によって新たな在留資格で外国人を受け入れるに当たっては,国際人 権基準に適合した出入国管理行政を実現すべきである。

以上
by kazu1206k | 2018-11-13 23:48 | 雇用 | Comments(0)

新しい外国人労働者受入れ制度の確立で、日弁連の宣言

 日本弁護士連合会は、10月5日、「新しい外国人労働者受入れ制度を確立し、外国にルーツを持つ人々と共生する社会を構築することを求める宣言」を人権擁護大会で採択しました。
 少子高齢化社会が進行する中、政府は、本年6月、「経済財政運営と改革の基本方針2018」において、建設業、農業、介護等の分野での人手不足による、経済界や地方からの、更なる外国人労働者の受入れを求める声があがっていることから、外国人労働者の受入れを想定して「就労を目的とした新たな在留資格」を創設する方針を示していました。しかし、新たな在留資格では、在留の期限は原則5年以内とされ、家族の帯同が認められず、新たな在留資格の創設後もなお技能実習制度は存続することとしています。こうした現状にあって、日本弁護士連合会の宣言を、ご紹介します。

新しい外国人労働者受入れ制度を確立し、外国にルーツを持つ人々と共生する社会を構築することを求める宣言

日本に在留する外国人労働者は、2016年10月には108万人、2017年10月には127万人を超えて増え続けている(特別永住者を除く。外国人雇用状況届出数)。
 
その主たる要因は非熟練労働者の増加にあるが、非熟練労働の担い手は、技能実習生、アルバイトで働く留学生等、本来は、労働者の受入れを目的としない制度によって入国した人々である。技能実習制度では、日本の技術の海外移転という名目上の目的のために実習先を定められ、原則として職場移転の自由が認められず、雇用主に従わざるを得ないという構造的な問題がある。このため、最低賃金法違反、強制帰国等の深刻な人権侵害が生じている。留学生の相当数は、来日時の多額の借入れの返済や学費の捻出等のため、本来の学業に加えて長時間労働を余儀なくされ、週28時間以内の就労を超えた資格外活動が発覚する等して在留資格を失う者もいる。
 
今もなお、建設業、農業、介護等の分野では人手不足が指摘され、少子高齢化社会が進行する中で、経済界や地方からも、更なる外国人労働者の受入れを求める声があがっている。これを受けて政府も本年6月、「経済財政運営と改革の基本方針2018」において、上記の分野等での外国人労働者の受入れを想定して「就労を目的とした新たな在留資格」を創設する方針を示している。しかし、新たな在留資格では、在留の期限は原則5年以内とされ、家族の帯同が認められず、また、この在留資格の創設後もなお技能実習制度は存続することとしている。
 
外国人労働者の増加に伴い、外国人の中長期在留者の数も増加を続けて2017年末には256万人を超え(特別永住者を含む。)、また、6万人以上の非正規滞在者も日本で生活している。さらに、出生後に日本国籍を取得した人や外国籍の親から生まれた日本人等も含め、今、日本は、外国にルーツを持つ多様な人々が暮らす国となっている。特に、上記の新たな外国人受入れ制度の創設に伴って、今後、多くの外国人労働者が日本社会の一員となることが予想される。
 
これらの人々が地域で生活する環境に目を向けたとき、日本語学習や母国の文化を保持するための取組は、いまだ国全体の十分な取組にはなっていない。外国籍の子どもやその家族の在留等の在り方も、国際人権諸条約の諸規定に従ったものとはなっていない。外国にルーツを持つ人々への差別的言動その他の差別を根絶するための立法府及び行政府の取組もようやく端緒に就いたにすぎない。
 
そもそも、人は、国籍、在留資格の内容、有無等にかかわらず、ひとしく憲法、国際人権法上の人権を享有する。国籍や民族の相異を理由に、時の在留政策や雇用側の利害等により、その人権を安易に制約することは許されない。新たな外国人受入れが始まろうとする今こそ、人権保障に適った外国人受入れ制度と多文化の共生する社会を構築することが喫緊の課題となっている。
 
よって、当連合会は、国や地方自治体に対し、以下のとおり求める。

1 人権保障に適った外国人労働者受入れ制度を構築するため、国は、以下の施策を実施するべきである。
 (1) 技能実習制度を直ちに廃止する。
 (2) 政府において検討中の新たな制度も含め、非熟練労働者受入れのための制度を構築するに際しては、労働者の受入れが目的であることを正面から認めた、以下のような条件を満たす制度とする。
  ① 職場移転の自由を認める。
  ② 国の機関による職業紹介、二国間協定の締結等により、送出し国を含めてブローカーの関与を排除する。
  ③ 長期間の家族の分離を強いず、日本に定着した家族全体の在留の安定を図る。
 (3) 外国人労働者全般の権利の保障のために次のことを実施する。
  ① 賃金等の労働条件における国籍や民族を理由とする差別の禁止を徹底する。
  ② 労働者の権利の保障等のための相談、紛争解決の仕組みを充実させる。
  ③ 日本語教育を含む職業訓練や職業紹介制度の充実を国の責務とする。

2 外国にルーツを持つ人々と共に生きる社会を構築し、全ての人に人権を保障するため、以下の施策を実施するべきである。
 (1) 国や地方自治体は、外国につながる子どもや成人の日本語教育、民族的アイデンティティを保持するための母語教育等のための専門的な教員の加配やスクールソーシャルワーカー等の配置を行うとともに施設を整備し、そのための国際交流協会、NGO等の活動を支援する。また、国は、家族滞在の子どもの定住者等への在留資格変更について一層要件を緩和することにより、外国につながる子どもの在留の安定を図る。
 (2) 国や地方自治体は、外国人が医療、社会保障等のサービスや法律扶助制度等に容易にアクセスし、十分に活用することができる制度を実現し、国際交流協会、NGO等と協力してその運用を支援する。
 (3) 国は、国際人権諸条約の諸規定に基づき、長期の在留資格や在留特別許可に係る法令の要件の緩和と明確化を通じて、外国人やその子ども・家族の在留の安定を図る。併せて、複数国籍の制限の緩和等を含め、国籍の得喪要件の見直しを行う。
 (4) 国や地方自治体は、調停委員等や教員の公務就任における差別をやめ、就職・入居等の私人間における差別的取扱い、及び差別的言動の禁止を含む法整備を行う。また、国は、国内人権機関の創設、人権諸条約の個人通報制度の実現を通じて権利救済を実効化する。

3 これらの施策を立案、実施するため、以下の体制を整備するべきである。
 (1) 地方自治体は、外国にルーツを持つ人々が地域の中で共に生きるため、上記を含めた施策を実施する部署の設置等をする。
 (2) 国は、外国にルーツを持つ人々が社会で共に生きるための施策を国や地方自治体の責務とし、これを実施する体制を定め、また、外国人受入れについての基本方針を定める法律(仮称「多文化共生法」)を制定するとともに、これらの施策の実施を所管する省庁(仮称「多文化共生庁」)を設置する。
 
外国にルーツを持つ人々がひとしく人権を保障され、全ての市民が共生できる、活力のある日本の地域社会を創造するため、今こそ、国や地方自治体は、具体的な行動に移るべきである。
 
当連合会も、上記の施策の実現に向けて、全力を挙げて取り組む所存である。
 
以上のとおり宣言する。

2018年(平成30年)10月5日
日本弁護士連合会
by kazu1206k | 2018-10-07 09:17 | 雇用 | Comments(0)

高度プロ制度創設など働き方改革法案に反対、日弁連

 日本弁護士連合会は、「高度プロフェッショナル制度を創設する法案の国会提出に反対する会長声明」(3月8日)を発表、3月27日には「働き方改革法案の「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保」部分についての意見書」(3月15日)をとりまとめ、厚生労働大臣に提出しました。
 安倍内閣による、今国会での「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」の提出に反対しています。

●高度プロフェッショナル制度を創設する法案の国会提出に反対する会長声明

政府は、第196回通常国会に、企画業務型裁量労働制の拡大や特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設を含む「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」の提出を予定していたところ、本年3月1日、安倍首相が、企画業務型裁量労働制の拡大については、今通常国会に法案を提出しないと発表した。他方、高度プロフェッショナル制度創設については、依然法案を提出予定であると述べている。

企画業務型裁量労働制の拡大や高度プロフェッショナル制度の創設は、2015年の第189回通常国会に提出された労働基準法改正案にも盛り込まれていたものの、実質審議が行われないまま廃案となったものである。当連合会は、2017年11月22日付け「働き方改革を推進するための労働基準法の一部改正案の国会提出に反対する会長声明」において、企画業務型裁量労働制の拡大や高度プロフェッショナル制度の創設について、長時間労働を助長しかねない内容を含むものであり、労働者の命と健康の保持の視点からすれば、これをそのまま法制化すべきでなく、法案が国会に提出されることに反対する声明を公表している。

政府は、企画業務型裁量労働制の拡大について、第189回通常国会以来、「厚生労働省の調査によれば、裁量労働制で働く者の労働時間の長さは、平均的な者で比べれば、一般労働者よりも短いというデータもある」との説明により正当化してきた。しかし、今通常国会においては、政府は、このデータが不正確なものであるとして、答弁を撤回し、企画業務型裁量労働制の拡大について法案から削除するに至っている。政府が不正確であることを認めたデータは、高度プロフェッショナル制度導入の根拠としても利用されていたものである。根拠資料の不正確性が明確になった以上、労働時間規制を全面的に排斥する高度プロフェッショナル制度を創設する立法事実、正当化根拠は、疑わしい状況となっている。

当連合会は、2014年11月21日付け「労働時間法制の規制緩和に反対する意見書」においては、高度プロフェッショナル制度のような労働時間規制の適用除外制度を創設することの問題点を詳細に指摘し、労働時間規制の緩和に反対する意見を述べている。当連合会は、高度プロフェッショナル制度の危険性を改めて指摘するとともに、同制度を創設する法案を国会に提出しないことを求める。

  2018年(平成30年)3月8日
 日本弁護士連合会      
  会長 中本 和洋 

●働き方改革法案の「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保」部分についての意見書

 2018年3月15日
 日本弁護士連合会

本意見書の趣旨

政府は、2017年9月15日、労働政策審議会の「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案要綱」(以下「要綱」という。)をおおむね妥当とする意見をうけて、要綱に基づく法律案(以下「働き方改革法案」という。)を今通常国会に上程し、法律の成立を図るとしている。

要綱に基づく働き方改革法案により、有期契約労働者、短時間労働者及び派遣労働者の低い労働条件を改善するため法整備をすることは評価するものである。

しかし、当連合会のこれまでの意見にもかかわらず、要綱は、有期契約労働者、短時間労働者及び派遣労働者の労働条件を改善するため法の趣旨の明確化やその実効性を担保するための方策について、さらに慎重に審議すべき課題も少なくない。そこで、今国会における法案の審議に当たり、働き方改革法案について、改めて、以下のとおり意見を述べる。

1 働き方改革法案の通称は、「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保法」とすべきである。

2 「不合理な待遇の禁止」と「均等待遇」の関係につき、労働契約法20条の均等待遇の適用が後退しないように規定を定めるべきである。

3 法的効力の問題について、以下のとおり規定すべきである。
(1) 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部改正(以下「パート労働法」という。)の「不合理な待遇の禁止」規定が私法的効力を有することを明確化し、「差別的取扱禁止」規定については労働契約の内容を補充する効力を有するか否かを条文上明確に規定すべきである。
(2) 労働者派遣法の一部改正についても、「不合理な待遇の禁止」規定が私法的効力を有することを明確化し、「正当な理由がなく不利なものとしてはならない」とする規定については労働契約の内容を補充する効力を有するか否かを条文上明確に規定するべきである。

4 派遣労働者に関する労使協定について、実効性を担保するための手続や賃金水準などを明確化すべきである。

5 司法による判断のための訴訟支援策(労働審判や日本司法支援センターの教示など)を設けるべきである。

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by kazu1206k | 2018-03-28 23:37 | 雇用 | Comments(0)

労働時間法制を考える院内市民学習会

日本弁護士連合会から「労働時間法制を考える院内市民学習会の開催」のお知らせです。

労働時間法制を考える院内市民学習会の開催について

政府は、2013年6月14日に、「日本再興戦略」と「規制改革実施計画」を閣議決定して以来、労働法制全般の規制緩和を進め、本年の通常国会において、労働基準法改正法案を含めた「働き方改革関連法案」が提出される見通しです。

労働基準法改正法案は、長時間労働の実効的な抑制策が曖昧なままに、一定の労働者について、使用者による労働時間管理義務を免除し、かつ、いわゆる残業代の支払さえも免除しようとするものであり、経済的負担により長時間労働を間接的に抑制しようとしてきた我が国の労働時間規制の歴史に逆行するものです。労働法制の行き過ぎた規制緩和は、労働者の権利確保の観点から極めて問題が多いと言えます。

日本弁護士連合会は、2016年11月24日付け「『あるべき労働時間法制』に関する意見書」等を公表し、労働者の命、生活および健康を維持するため、労働時間規制の安易な緩和を進めないよう繰り返し求めてきたところです。本学習会では、みなさんと一緒に「あるべき労働時間法制」について考えたいと思います。
ぜひご参加ください。


日時 2018年2月28日(水) 18時00分~19時45分(17時30分開場予定)
場所 衆議院第二議員会館1階 多目的会議室
 (【最寄駅】地下鉄丸ノ内線・千代田線『国会議事堂前』駅、地下鉄有楽町線・半蔵門線・南北線『永田町』駅)
参加費 無料
参加人数 定員140名
内容
1 来賓挨拶
2 日弁連からの報告
3 基調講演 川人 博 弁護士(東京弁護士会)
4 当事者・会場からの発言
5 取材に基づく現場報告 東海林 智 氏(毎日新聞記者) 
申込方法事前申込要
※事前にFAXにてお申込みください(FAX 03-3580-2896)
https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/event/data/2018/event_180228.pdf
主催
日本弁護士連合会
お問い合わせ先
日本弁護士連合会 人権部人権第一課 TEL:03-3580-9501

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by kazu1206k | 2018-02-25 16:44 | 雇用 | Comments(0)