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カテゴリ:脱原発( 1225 )

作業トラブルと「カイゼン」一律10%コストカット、東電交渉

 7月18日、脱原発福島ネットワークなど福島県内の10市民団体による、東電交渉(再開第48回)が、いわき市平の平送電所で開かれました。
 今回も、 前回に引き続き、「福島第一原発事故の収束、労働環境の改善、同第二原発の廃炉、日本原電への資金援助中止、事故被害者への賠償を求める要請書」(3月18日提出)と福島第一原発事故収束作業等に係る労働者の過労死の事実関係などについて、再質問に対する東電側の回答と質疑が行われました。
 3月要請書の5項目のうち、「日本原電への資金援助中止、事故被害者への賠償」について、さらに労働アンケート調査やトリチウム等汚染水など他の回答と質疑は、次回に持ち越しました。

 要請項目と再質問への回答、質疑のやり取りの概要は、以下の通りです。

⑴福島第一原発事故の収束、労働環境の改善、同第二原発の廃炉、日本原電への資金援助中止、事故被害者への賠償を求める要請書への回答と質疑

1、福島第一原発における中長期ロードマップ、核燃料取り出し、防潮堤建設等を確実に進めること。

●核燃料取り出し

ー市民:1号機と2号機の工期の差は何か?
ー東電:1号機には392体、2号機には625体の燃料集合体がある。燃料数は2号機が多いが、1号機は破損が大きいため工期に差がある。
ー市民:3号機の取り出し機械の不具合による工期の延長問題もある?
ー東電:3号機の燃料交換機、現場の放射線量が高い。リモートコントロールできるものを、国内機種では対応できず、海外に発注した。従来と違う発注パターンでこのようなことになった。
ー市民:3号機では1年間に不具合が27箇所にのぼる。規制庁は、東電の品質管理に問題があると言っている。「カイゼン」と称して、一律10%のコストカットを東電としてやっているのか?
ー東電:「カイゼン」はトヨタ方式を学んでやっている。効率化して無駄を省く。
ー市民:「カイゼン」、手法について、規制庁が、東電の廃炉収束作業に馴染むのかと指摘しているのではないか?
ー東電:品質を上げながら効率化を目指す。
ー市民:排気筒解体作業での大型クレーンの不具合問題について、3mの差異があったが「カイゼン」との関係はないのか?
ー東電:的確にできたかという問題。ヒューマンエラーであり、図面上のチェックの問題で、「カイゼン」とは直接関係ない。
ー市民:2019年4月15日の特定原子力施設監視・評価検討会での規制庁福島第一原子力事務所小林所長の「一律10%のコストカット、馴染むのか」との発言について、どう考えているのか。照会して、現場の実態を示してほしい。
ー東電:次回、回答する
ー市民:1号機の最上階のがれき撤去作業について、夜間実施しているのか?敷地境界のモニタリングが真夜中にピークになっている。
ー東電:やってないと思うが、次回、回答する。
ー市民:核燃料、ドライキャスクについて、ロードマップに載せてほしい。
ー東電:どのように進めるか調整中で、工程の検討段階だ。2020年度に将来の処理保管方法を決定する。

●防潮堤建設
ー市民:8.5m盤に1m嵩上げし、1.5mのL字型の防潮壁を整備して、11m高にする、1〜4号機海側の防潮堤建設の事業費はいくらか?
ー東電:契約に関わることなので公表できない。
ー市民:東電には国税が投入されている、税を負担している国民に情報開示するのは当然ではないか。持ち帰り検討して公表を。
ー東電:次回、回答する。

2、トリチウム等のタンク貯蔵汚染水の海洋放出はやめ、陸上保管による恒久的対策を確立すること。
ー市民:小委員会の議論の進捗状況をどう把握しているのか、説明を。
ー東電:次回、回答する。

3、危険手当の完全支給、賃金、救急医療、被ばく管理など作業員の労働環境と処遇の改善を行うこと。
ー市民:福島労働局は、廃炉作業と除染作業の事業者の労働基準関係法令違反の違反率が増えて(廃炉作業315件で前年比14.7ポイント増・除染作業299件で17.2ポイント増)、監督指導した案件が増えていると公表したが、こうした現状では、東電として一歩踏み込んだ対応が必要ではないか。具体的な改善策は?
ー東電:労基署と連携して、適切な就労形態の確保に向け、具体的な違反事例を示して、元請企業や協力企業を対象とする法令遵守講習会を開催して、適正化を進めている。
ー市民:従来と何が変わったのか。前回回答との違い、今回の講習会の具体的事例を示し次回、回答していただきたい。
ー東電:次回、回答する。
ー市民:危険手当の完全支給は?
ー東電:次回、回答する。

4、福島第二原発の廃炉を正式に決定し、その工程を明らかにすること。
ー東電:正式決定は、未定だ。
ー市民:2018年7月19日のプロジェクトチームの進捗状況は?
ー東電:次回、回答する。

以下の回答と質疑は、は次回。
5、日本原子力発電東海第二原発への資金援助をやめ、事故被害者の賠償請求に完全に応じること。

⑵福島第一原発事故収束作業等に係る労働者の過労死の事実関係などについて

⑶その他
・東電として、廃炉の定義、取り出した燃料の搬出先、帰還に伴うリスクの説明をしていただきたい。

*次回は、9月11日(水)午後1時、いわき市平の東京電力平送電所。

by kazu1206k | 2019-07-18 23:35 | 脱原発 | Comments(0)

支援団、9・19有罪判決を求め県内連続集会やキャラバンへ

 7月17日午後、 福島原発刑事訴訟支援団と福島原発告訴団は、福島市で短編映画『東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故』の完成記者会見&上映会を行いました。
 福島第一原発事故の責任を問う刑事裁判の判決は、9月19日13時15分開廷の東京地裁104号法廷で下されます。被告人の東電元幹部3名が事故の原因である巨大津波を予見し、津波対策工事を計画していながら、経営悪化を恐れて対策自体を握りつぶした大罪を司法は、いかに判断するのか、世界から注目されています。
 このたび、福島原発刑事訴訟支援団と河合弘之監督映画「日本と原発」のKプロジェクトが、新たに短編映画「東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故」を制作、7月10日に公開。闇に葬られかけた津波対策計画の動かぬ証拠の数々を解析し、いかなる経緯で対策が握りつぶされたのかを描きました。
 福島原発刑事訴訟支援団と福島原発告訴団は、判決の日へ向けて、下記の通り、上映など今後の予定を発表しました。

9・19東電刑事裁判 有罪判決を求める! 福島県内連続集会
○内容
   ・短編映画 『東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故』 の上映 (26分)
   ・9月19日東電刑事裁判判決に向けたアピール 支援団長、告訴団長 (20分)
   ・各地の報告、決意表明など (30分)
○日程
7月31日(水)14:00~ 福島市   アオウゼ 視聴覚室
8月 7日(火)13:30~ 郡山市   アートステーション美しい村(予定)
8月10日(土)10:00~ 須賀川市  穀物採食レストラン 銀河のほとり
8月18日(土)10:00~ 郡山市   郡山市労働福祉会館 第3・第4会議室
8月18日(土)13:00~ 三春町   ライスレイクの家 会議室
8月25日(土)13:30~ 南相馬市  サンライフ南相馬 集会室
8月27日(火)18:30~ いわき市  いわき市文化センター 中会議室
8月30日(金)18:30~ 会津若松市 若松栄町教会


有罪判決を求める 東電刑事裁判 判決前キャラバン
○内容
   ・各地での街頭アピール
   ・各地での交流集会
     ー短編映画 『東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故』 の上映
     ー9月19日東電刑事裁判判決に向けたアピール 支援団長、告訴団長
    ー各地の報告など

○日程
9月1日(日)13:30~ 福島県郡山市   出発式
9月1日(日)17:00~ 栃木県宇都宮市   
9月2日(月)               群馬県前橋市・高崎市 
9月3日(火)               埼玉県大宮市・浦和市・所沢市・川越市
9月4日(水)               茨城県水戸市・筑波市・東海村
9月5日(木)               千葉県千葉市・船橋市
9月6日(金)               神奈川県横浜市
9月7日(土)               東京都

真実は隠せない~ 有罪判決を求める 東電刑事裁判 判決直前大集会
○日時 9月8日(日曜日)14:00~16:30
○会場 東京都 文京区民センター 3-A会議室
○内容
   ・短編映画 『東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故』 の上映 (26分)
   ・傍聴を続けたジャーナリストの話 (40分)
     添田孝史さん(科学ジャーナリスト) ほか
   ・弁護団からの話 (40分)
   ・福島からの想い リレートーク (30分)
   ・歌『真実は隠せない』 長谷川光志さん(シンガーソングライター)
   など


東電刑事裁判 判決言渡期日

 ○日時 9月19日(木曜日) 13:15開廷
 ○場所 東京地裁第104号法廷
 ・地裁前ミニ集会 11時頃~12時頃まで
 ・裁判報告会 裁判終了の30分後をめどに開始 会場未定(参議院議員会館予定)


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by kazu1206k | 2019-07-17 23:17 | 脱原発 | Comments(0)

守りたい〜ふるさとの海、海の日でACTION 

 「海の日ACTION 守りたい〜ふるさとの海」が7月15日午後、鹿島公民館大講堂で開かれました。主催は、これ以上海を汚さないで 市民会議。
 「歴史が語る福島県の津波地震」と題して、地震学者・地震津波防災戦略研究所代表、元東京大学地震研究所准教授の都司嘉宣先生が講演。また、「汚染水海洋放出をめぐる動き」を認定NPO法人高木仁三郎市民科学基金の水藤周三さんが報告しました。
 都司先生は、地震の揺れが小さい割に、津波が非常に大きい地震のことを「津波地震」ということを説明し、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震、1896年6月11日の明治三陸地震、延宝5年(1677年)10月9日の房総沖地震、慶長16年(1611年)10月28日の慶長三陸沖地震、貞観11年(869年)5月26日の貞観地震と歴史的に5回も東北地方太平洋沿岸を襲った津波地震を、平藩の古文書やスペンイン人の船長の日記などを読み解きながら、詳しく解説。その上で、「なぜ巨大津波地震が起きるのか」「この後どうなるのか」「人命を守る巨大津波の対策 静岡県吉田町」「個人で行う地震対策」「いわき市沖に 海山が開けたトンネルあり」などを解説して、いわき市沿岸も何度も被害を受けたこと、今後も房総沖津波地震に注意が必要であり、高台や公道の横断道路橋を活用する津波避難タワーの建設など行政としての対応、地震で死なないように縦長家具の転倒防止など個人が備えておく必要性などを訴えられました。  
 また、水藤さんは、福島原発事故による汚染水問題の近況、市民の反対、陸上保管への対応、「ALPS小委員会」での協議の停滞、いわき市はじめ首長が参加する「廃炉汚染水対策福島協議会」での発言と市民の働きかけの重要性などを解説しました。

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by kazu1206k | 2019-07-16 23:07 | 脱原発 | Comments(0)

不均等な復興、原発過労死ー脱原発福島ネット学習会開く

 7月14日午後、脱原発福島ネットワーク公開学習会がいわきゆったり館で開かれました。
 「不均等な復興〜原発事故被害の実態と賠償請求権の時効延長〜」をテーマに除本理史(大阪市立大学教授)さんが講演。「原発過労死裁判」原告の故猪狩忠昭さんのご遺族が、亡くなられた経過や勤務の実態、会社と東電など被告側の対応、原発労働者への呼びかけ、裁判の現状等、涙の報告をされました。
 除本さんは、原発事故被害者の現状、不均等な復興など復興政策の問題点、被害実態からずれ、格差がある賠償の問題点、さらに刑事訴訟と集団訴訟の意義、そして時効延長問題について、話されました。
 原発事故被害者の現状では、区域外避難者の経済的困難について、民間賃貸住宅の家賃補助の打ち切りによる生活困窮、復興住宅での孤独死の急増など、制度や施策の網の目からこぼれ落ちる人々の実態を明らかにしました。
 復興政策の問題点では、避難指示解除後も放射能汚染の継続と医療・介護・子育てなどの生活条件の未回復という状況で、除染・復旧事業中心の復興政策が、地域の変容、地域再生へネガティブな影響を及ぼし、地域・業種・個人に不均等に現れていることを指摘。原発災害は、復興政策によって作り出された分断と放射能汚染の特性による分岐という特殊性を持っており、復興政策のアンバランスを克服するためには、逆転した施策をやめ、被災者それぞれの事情に応じたきめ細やかな支援施策の必要性を指摘しました。
 賠償の問題点では、①直接請求、②ADR、③訴訟等の請求3ルートの仕組みを解説。原陪審の指針と東電の賠償基準という直接請求方式は、加害者主導で被害当事者の参加が脆弱であり、被害実態とずれが生じていること。「ふるさとの喪失」被害などは賠償からもれ、区域間の格差や拙速な賠償打ち切りとなっており、地域社会総体の被害回復の必要性を指摘しました。
 刑事訴訟と集団訴訟の意義では、無過失責任の制度である原賠法により、東京電力の責任の検証が不十分であった現状、さらに国の責任が加害責任を前提としない、社会的責任に基づく復興政策=公共事業主導の不均等な復興となっており、刑事訴訟と集団訴訟による、国と東電の責任解明が福島復興政策の見直しの第一歩となること。事故に至る事実関係と責任の究明は、それ自体、被害者にとって、精神的な救済につながる、重要な意味を持っていると指摘しました。
 時効延長問題では、日弁連+JECによる原発賠償シンポジウム「原発ADRの現状、中間指針の改定、時効延長の必要性について」が7月27日に開催予定であり、集団訴訟で面的な賠償上積み進め、ADR和解案拒否・打ち切り問題で中間指針改定の必要性と時効期間の再延長について、議論を進めることを指摘しました。
 最後に「震災9年目の現在、被害の過小評価と『風化』をくいとめるためにも、今回の事故を「福島の問題」に封じ込めず、多くの市民が『私たちの問題』とあらためて捉えなおす必要がある。国内各地の放射能汚染、原子力事故、公害被害地域など、他地域の経験にも学んで、将来に向けた普遍的教訓を導き出していくことが強く求められる」とまとめました。

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by kazu1206k | 2019-07-15 23:45 | 脱原発 | Comments(0)

『2倍家賃』請求の撤回を!署名13,338筆を県に提出

 7月12日、原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)や「避難の権利」を求める全国避難者の会などが、福島県の内堀知事宛ての抗議声明「『2倍家賃』請求通知を直ちに撤回せよ」を、福島県に提出し、記者会見を行いました。
 ひだんれん、全国避難者の会、避難の協同センターなどの代表8名が福島県庁を訪れ、7月5日正午から始めたインターネット署名の一次締め切り分13,338筆の署名とともに、福島県生活拠点課に提出したものです。
 ひだんれんが、東雲の国家公務員宿舎で2倍の損害金を請求された人のメッセージを読み上げ、避難の協同センターからも、「避難住宅の問題解決ができないまま2倍家賃請求をするのは、当事者だけではなく現場の担当者をも苦悩させる。これ以上、福島県が国と一緒になって問題を長引かせることはやめてほしい」と申し入れました。福島県生活拠点課の担当者は、「今後も引き続き避難者と会って、個別の支援を続けていく」と述べるにとどまりました。
 記者会見では、ひだんれんから「福島県は根拠として、セーフティネット契約に2倍の損害金は盛り込まれていたとするが、契約してでも住み続けなければ路頭に迷う状態で選択の余地がなかった上、3月初めの申し込みでは概要はあったが契約書はなく、2週間ほど後に契約書が来たが、その内容に驚いて契約をしなかった人もいたほどだ」と説明しました。
 その後、福島駅東口で、スタンディングとチラシ配布を行いました。

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by kazu1206k | 2019-07-12 22:48 | 脱原発 | Comments(0)

短編映画『東電刑事裁判  動かぬ証拠と原発事故』公開

 短編映画『東電刑事裁判 動かぬ証拠と原発事故』(26分)が完成し、Youtubeに公開されました。
 9月19日の判決に向けて、福島原発刑事訴訟支援団と河合弘之監督映画「日本と原発」のKプロジェクトが制作、公開しました。ご覧いただき、広めていただければ幸いです。

<映画はこちらから>
*福島原発刑事訴訟支援団  https://shien-dan.org/
*河合弘之監督映画サイト  http://www.nihontogenpatsu.com/

 福島第一原発事故の刑事裁判の判決が9月19日に下されます。
 被告人である東電元経営幹部3名が事故の原因である巨大津波を予見し、津波対策工事を計画していながら、経営悪化を恐れて対策自体を握りつぶした大罪を司法は、いかに判断するのか、世界からも注目されています。
 闇に葬られかけた津波対策計画の動かぬ証拠の数々を解析し、いかなる経緯で対策が握りつぶされたのかを描きました。
 ぜひ、みなさんに見ていただきたい、26分間です!!!
 各地での上映会など、多くの方に伝えてください。
 
 判決は、9月19日(木)13:15〜 東京地裁です。

企画:福島原発刑事訴訟支援団、福島原発告訴団、海渡雄一
製作・監督:河合弘之

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by kazu1206k | 2019-07-11 23:07 | 脱原発 | Comments(0)

原発避難者への懲罰的な「2倍家賃」請求を止めてー電子署名

 ひだんれん(原発事故被害者団体連絡会)・「避難の権利」を求める全国避難者の会から、福島県が国家公務員宿舎に入居している自主避難者に2倍家賃の請求をする件で、福島県知事宛の署名のお願いです。
 この署名を持って福島県に再度交渉をしますので、署名と拡散を訴えています。

「原発避難者への懲罰的な「2倍家賃」請求を止めてください」
https://bit.ly/30aKmVZ

福島県は、東京など4都県の国家公務員宿舎に入居している原発事故避難者71世帯に対し、3月28日付けで「3月末までに退去せよ、退去しない場合は家賃の2倍相当の損害金を請求する」との通知書を送り、7月になって一部を除く世帯に具体的な金額を請求、復興庁もこれを追認しようとしています。

2年前、区域外避難者12,539世帯32,312人への住宅無償提供が一方的に打ち切られました。その「激変緩和措置」として取られたのが➀国家公務員宿舎131戸の有料貸し付け➁所得の低い民間賃貸住宅入居者2,000余世帯に対する家賃の一部補助でした。2年間と限定したのは、その間に避難者が自立できるとの見通しを前提にした政策でした。

退去したくても退去できずに残った世帯は、原発事故による長期の避難生活で困窮し、病を抱え、住宅政策の狭間で行く先を見つけられない人たちです。そうした被災者に対しては、生活再建のためのより手厚い支援が必要です。にもかかわらず、懲罰的に家賃の倍額を請求をするということは、被災者をさらに追い詰め、生存の危機を招きかねず、受け入れることはできません。「健康で文化的な最低限度の生活を営む」生存権を守らなければなりません。

国家公務員住宅の戸数が不足していることはなく、転出先が確定している世帯、生活保護世帯など約10世帯については、福島県が財務省から新たに借り受けて貸付契約を結び、居住延長の措置を取っています。これがなぜ、退去できないでいる他の世帯にも取れないのでしょうか。

福島県と復興庁は、県民・被災者の命と生活を守る責任者として、懲罰的な「2倍家賃」請求を撤回し、 当該世帯の人々に誠実に向き合い、退去の条件が整うまで入居継続を保障することを強く要求します。

ひだんれん原発事故被害者団体連絡会 http://hidanren.blogspot.com/ (福島県との交渉、「2倍請求」の詳細等の報告も掲載しています)
「避難の権利」を求める全国避難者の会   http://hinannokenri.com/

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by kazu1206k | 2019-07-06 23:51 | 脱原発 | Comments(0)

初期被曝、原発事故スクーリングで福島県に質問と要望

 7月2日午後、福島県庁へ伺いました。浪江町津島から兵庫県に避難している菅野みずえさんが、福島県に提出した質問−「2011年3月11日の原発事故後のスクリーニングについて」、福島県の回答を保健福祉部地域医療課から聞きました。
 菅野さんは、原発事故により同年3月15日、住まわれていた浪江から避難しました。避難の途中、郡山市で体表面汚染検査(スクリーニング)を受けています。その際、測定器の針が振り切れ、10万cpm以上でしたが、名前もきかれず、記録にも残されませんでした。無我夢中で意味もわからずに受けた検査でしたが、その後、いろいろなことがわかってきました。原発事故避難のこと、福島県の当時のマニュアルで定められていたスクリーニング手続きの意味、「ないこと」にされてしまった被ばくのことなど。
 菅野さんはその後、甲状腺がんを発症して手術を受けました。しかし、原因を究明しようにも、当時の被ばくの記録が残っていないのです。
当時の「福島県緊急被ばく医療活動マニュアル」によれば、避難時の検査で13,000cpm(甲状腺等価線量最大100mSv相当)以上の場合は、甲状腺被ばく測定や安定ヨウ素剤の服用指示など必要な措置を受け、記録も残されるはずでした。
 この日、菅野さんは、改めて、福島県が自ら作成したマニュアルに沿った対応が何故実施されなかったのか、甲状腺被ばく測定や安定ヨウ素剤配布が何故実施されなかったか、その理由を福島県が第三者委員会を設置して調査すること。県所有のスクリーニング記録を個人情報に配慮して公開すること。県民健康調査の甲状腺がんと被ばく評価について、甲状腺評価部会で再検討を行うことなどを、連名で内堀福島県知事に要望しました。
 下記に、福島県に提出した質問とそれに対す回答、あらたに提出した要望書を掲載します。

●福島県に事前に提出した質問、およびそれに対する7月2日の福島県地域医療課からの回答要旨

福島県原子力安全対策課 御中
福島県生活環境部 御中
福島県地域医療課 御中
福島県災害対策本部 御中

3・11後のスクリーニングについてのご質問

質問者の一人、菅野みずえは、浪江町津島地区に居住していました。2011年3月11日の東日本大震災とそれに続く原発事故により3月15日、避難を強いられました。菅野みずえの避難時およびその後の状況を以下にまとめました。

2011年3月15日、郡山の体育館で、スクリーニングを受けました。
全身を測定器で測ったところ、針が振り切れました。測定していた人に「どこから来たのですか」ときかれ「浪江の津島です」と答えると、その人が「また津島だ」と他の人に言ったことを覚えています。
一番上にはおっていた上着を脱がせられ、厚手のビニール袋に入れてわたされました。なるべく早く手や髪を洗うように言われました。
それ以外は、名前もきかれなければ、測定結果の記録ももらえませんでした。
あとになって、報道でスクリーニングの基準が10万cpmに引き上げられたことをしりました。また、福島県のマニュアルに従えば、13000cpm以上であれば、一次除染後、再度の検査を受け、甲状腺検査や鼻腔スミアなども受けることになっていたこと、測定結果の記録ももらえたことを知りました。
私はその後、甲状腺がんを発症しました。被ばくが原因ではないかと疑いましたが、何の記録も残っておらず、医師にその状況を理解してもらうことが出来ませんでした。
甲状腺がんになったこともさることながら、もしあのとき、マニュアルどおりの手続きが行われれば、きちんと医療的処置も受けれたかもしれない、記録も残されたかもしれないと思うと、くやしくてなりません。
どういう事情で、スクリーニングの手続きが簡略にされたのか、知りたいと考えています。

私たちは情報開示請求により、「福島県緊急被ばく医療マニュアル(平成16年3月改定版)」を入手しました。マニュアルではスクリーニングレベル①(40ベクレル/cm2、13000cpm相当)を超える場合は、一次除染を行い二次スクリーニングに進み、鼻腔スミアや甲状腺検査を行うこと、さらにスクリーニングレベル②を超える場合は、内部被ばくを想定した応急治療を行うことが書かれていました。これを踏まえ、以下質問します。

1.2011年3月15日、郡山市総合体育館におけるスクリーニングを受けた人数、うち13,000~10万cpm、10万cpm以上であった人の人数をおしえてください。
また、福島県全体でのスクリーニング場所ごと日別のスクリーニングを受けた人数、13,000~10万cpm、10万cpm以上の人数を教えてください。
【回答要旨】2011年3月15日、記録に残っている範囲で、郡山市総合体育館でスクリーニングを受けた人数は200人。うち13,000~10万cpmの人は25人、10万cpm以上は0人。 ただ、スクリーニングには2チーム(災害医療センター、郡山保健所)が入っていたが、郡山市保健所からはデータがきていないので、わからない。

2.甲状腺検査、鼻腔スミア検査受けた人はいますか。
【回答要旨】情報がなくてわからない。

3.内部被ばくのおそれがあるとして、医療機関に搬送された人はいますか。
【回答要旨】情報がなくてわからない。

4.郡山市体育館における責任者の氏名と所属、人員体制について教えてください。
【回答要旨】情報がなくてわからない。

5.スクリーニングにあたって、「福島県緊急被ばく医療マニュアル」は参照されたのでしょうか。
【回答要旨】参照はしたが、想定を上回る災害であったため、実施できなかった。
6.スクリーニングレベル①超の人に対して、一次除染、再検査が行われなかった理由について教えてください。
【回答要旨】情報がなくてわからない。

7.鼻腔スミア、甲状腺検査が行われなかった理由を教えてください。
【回答要旨】情報がなくてわからない。

8.スクリーニングを受けた人に対して記録が渡されなかった理由を教えてください。
【回答要旨】情報がなくてわからない。

9.スクリーニング手続きを簡略化するという意思決定はどなたがおこなったのでしょうか。
【回答要旨】13,000cpmが10万cpmに引き上げられたことについては、広島大の谷川教授、福井大の寺沢教授、および放医研研究員の意見、さらには県立医科大の意見を踏まえて、福島県が決定した。 実際には地域医療課から各保健所に通知を出した。

10.この意思決定は、福島県では誰が協議に加わっていたのでしょうか。
【回答要旨】情報がなく、わからない。

菅野みずえ(浪江町から兵庫県に避難) 
武藤類子(三春町在住)        
満田夏花(国際環境NGO FoE Japan) 

●要 望 書 2019年7月2日

福島県知事 内堀雅雄 様

東京電力福島第一原発事故により、多くの人たちが避難を強いられました。
当時の「福島県緊急被ばく医療活動マニュアル」に従えば、避難時の検査で13,000cpm以上の人たちは、甲状腺検査を受け、安定ヨウ素剤を服用するはずでした。しかし、避難時の混乱の中で、このような対応は行われませんでした。多くの県民は自分たちがどのくらい被ばくしたのかも知らされず、安定ヨウ素剤も渡されず、甲状腺被ばくもはかられず、一部を除き記録も残されませんでした。 「想定以上の事態が生じた」と福島県は説明しています。しかし、これは言い訳にすぎません。もし、この教訓を真摯に受け止めるのであれば、当時の状況を自ら調査し、総括し、県民に説明すべできではないでしょうか。 県民健康調査において、事故当時18歳以下の人たちのうち200人以上が甲状腺がんまたは疑いと診断されています。甲状腺検査評価部会は、甲状腺がんが多く発生していることについては認めていますが、UNSCEAR(国連科学委員会)の甲状腺被ばく推定値を用いて、被ばくとの因果関係はない、という結論を出そうとしています。この分析の過程は公表されておらず、外部の専門家が検証できる状況になっていません。 また、実際の個々人の甲状腺被ばくの測定は行われなかった中、個人の行動によらず、自治体ごとの推定値にすぎず、UNSCEARの評価のみを用いることは事実をゆがめることになりかねません。 このような状況を踏まえ、私たちは以下を要望いたします。

一、原発事故のあと、福島県のマニュアルに沿った対応が行われなかったのはなぜなのか、とりわけ甲状腺被ばく測定が行われず、安定ヨウ素剤が配布されなかった理由を福島県として調査し、公開すること。調査に当たっては、第三者委員会を設けること。

一、現在、県が有しているスクリーニング記録を個人情報に配慮した形で公開すること。

一、県民健康調査における甲状腺がんと被ばくの評価に関しては、甲状腺評価部会で再検討を行うこと。外部の専門家や県民が検証できるように、評価で用いた数値やプロセスを公開すること。

以 上
菅野みずえ(浪江町から兵庫県に避難)
武藤類子(三春町在住)
満田夏花(国際環境NGO FoE Japan)

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by kazu1206k | 2019-07-02 23:17 | 脱原発 | Comments(0)

菅野みずえさん講演会 in 郡山(7/2)

国際環境NGO FoE Japanからのお知らせです。
7月2日の夜、郡山にて以下の講演会を開催します。福島方面の方、ぜひご参加ください。
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いま、あらためて振り返る 原発事故避難のこと 「ないこと」にされた被ばくのこと
〜菅野みずえさん講演会 in 郡山(7/2)
http://www.foejapan.org/energy/fukushima/190702.html
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菅野みずえさんは、浪江町津島地区に居住していました。2011年3月11日の東日本大震災とそれに続く原発事故により3月15日、避難を強いられました。避難の途中、郡山市で体表面汚染検査(スクリーニング)を受けました。無我夢中で意味もわからずに受けた検査ですが、その後、いろいろなことがわかってきました。

いま、あらためて原発事故避難のこと、福島県の当時のマニュアルで定められていたスクリーニング手続きの意味、「ないこと」にされてしまった被ばくのことを振り返ることは、現在の福島第一原発事故の状況や、各地で原発が再稼動されている状況を考えると、とても重要です。

菅野みずえさんを迎えてのお話し会を開催します。また、初期被ばくが隠されてしまった経緯やスクリーニングの意味、現在の甲状腺がんをめぐる状況についてもお話しします。ぜひご参加ください。

日 時:2019年7月2日(火)18:30〜20:30
会 場:市民交流プラザ 第一会議室 (郡山駅西口ビックアイ7 F )
参加費 無料
プログラム
 原発事故避難を振り返る(菅野みずえ/浪江町津島から兵庫県に避難)
 隠された初期被ばくとスクリーニングの意味(満田夏花/FoE Japan)
 甲状腺がんをめぐる状況(武藤類子/福島県三春町在住)
主 催:菅野みずえさんのお話しをきく会、 国際環境NGO FoE Japan
問合せ:国際環境NGO FoE Japan TEL: 03-6909-5983

E-mail: info@foejaapn.org

※この講演会は、「東電・福島第一原発事故「見える化」プロジェクト」の一環として実施します。
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※東電・福島第一原発事故「見える化」プロジェクト ご寄付募集
着々と福島原発事故の「見えない化」が進んでいます。避難者の数や実態、健康被害をはじめ、被害の実態や除染土など、原発事故の痕跡そのものが覆い隠されようとしているのです。
FoE Japan では、東京オリンピックの年である来年 2020 年にあわせ、東電福島第一原発事故を「見える化」し、国際的に情報を発信していくプロジェクトを立ち上げます。このプロジェクトを実現するためにみなさまのご寄付を呼び掛けています。
※ご寄付いただける場合は、以下のフォームからご一報ください。
https://pro.form-mailer.jp/fms/19c687df169745
郵便振替口:00130−2−68026 口座名: FoE Japan
または、城南信用金庫 高円寺支店 普通358434  エフ・オー・イー・ジャパン

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by kazu1206k | 2019-06-24 23:05 | 脱原発 | Comments(0)

6.20復興庁・財務省・国土交通省、21福島県知事への申し入れ

 原発被害者団体連絡会(ひだんれん)からのご案内です。

復興庁・財務省・国土交通省への申し入れと、参議院議員会館での記者会見
      福島県知事への申し入れと、福島県政記者室での記者会見のお知らせ


    
主催:原発避難者の住宅と人権保障を求める共同行動

         原発事故被害者団体連絡会  長谷川健一 武藤類子
         「避難の権利」を守る全国避難者の会  中手聖一 宇野朗子

連日のご活動に心から敬意を表します。
東日本大震災と福島原発事故から8年を経過しましたが、なお自宅に戻れず、数多くの方々が全国各地で避難生活を継続しています。私たち原発事故被害当事者団体は、今まで「ひとりも路頭に迷わせない」を合言葉に、避難者の住宅問題に取り組んできましたが、今年の3月末には、旧避難区域(南相馬市、浪江町、川俣町、葛尾村、飯舘村)からの避難者 約2200 世帯への仮設・借り上げ住宅提供が打ち切られました。細々と続けられてきた区域外避難者の国家公務員住宅での継続居住(有料)も、低所得者向けの家賃補助も打ち切られました。来年3月には、帰還困難区域からの避難者2700 世帯以上への仮設・借り上げ住宅提供が打ち切られようとしています。
今年の4月1日以降、国家公務員宿舎への入居を続けている〝区域外避難者〟に対し、福島県は退去を求め続け、福島県生活拠点課によると、6月中にも4月分からの家賃の2倍相当の損害金請求の振込用紙が送付される見込みです。
都営住宅に申し込んでも落選は続いている世帯、60歳未満の単身者で公営住宅への入居要件に該当せず、非正規労働の低賃金ゆえに民間賃貸住宅に転居できない世帯、精神的病で転居できる状況にない避難世帯にも、家賃2倍相当の請求が強行されます。このような居住困難におかれている原発事故被害者である避難者に退去を迫る行為は、重大な人権侵害といえます。
私たちは、区域外避難者の住宅支援の再開を求め、国家公務員住宅避難者への理不尽な行為を即刻中止し、「安心できる住まいの確保」が実現されるまで、居住支援を継続するよう、緊急要請書を6月20日に、復興庁・財務省・国土交通省へ、6月21日に福島県知事に提出します。そしてこの間の経過の報告もあわせて緊急記者会見をおこないます。

◆ 6月20日(木) 13時30分~15時   参議院議員会館B101
1)復興庁・財務省・国土交通省申し入れ      13時30分
2)緊急記者会見         14時

◆ 6月21日(金)10時~11時
1)福島県知事申し入れ  避難地域復興課(会場が変更になる場合があります)10時
2)緊急記者会見     県政記者室          10時30分

【本件に関するお問い合わせ】 原発事故被害者団体連絡会(ひだんれん)
TEL:080-2805-9004  FAX:0247-82-5190
 Eメール:hidanren@gmail.com            




                                               
by kazu1206k | 2019-06-17 23:17 | 脱原発 | Comments(0)